警察による令状なしの利用記録開示要求を拒んだ図書館、ネット上で「炎上」(米国)

米国バーモント州のキンボール公共図書館が、ネット上で大きな批判にさらされている、とSchool Library Journal誌が報じています。事の発端は、行方不明になった12歳の少女が、行方不明になる直前に、同館のPCを用いてSNS“MySpace”上で不審者と接触した疑いがあり、警察が同館のPCを調査しようと来館したが、令状を持っていなかったため、図書館員がPCの提供を拒んだというものです。その7時間後に、警察は令状を持って再度来館し、今度は図書館がPCを提供したのですが、1週間後、少女は遺体で発見されました。図書館員は「利用者の秘密を守る」として、令状なしの捜査に協力しなかったのですが、警察の初動捜査を遅らせた非人道的な行為、官僚的な行為、法に基づかない独善的な行為(※バーモント州では令状なしに図書館の利用記録を開示しないという法律案が2008年に上院を通過したが下院は通過しておらず未成立である)などとして、図書館、図書館員に対しネット上で批判が集まっているとのことです。

もっとも、図書館長は、「国中から匿名の批判メールが来ているが、地元の人々からは、賞賛・感謝の意を多くいただいている」とSchool Library Journal誌のインタビューに答えています。

Missing Girl Sparks Privacy Fight at VT Library – School Library Journal
http://www.schoollibraryjournal.com/article/CA6583907.html