図書館は大学の中心に-シカゴ大学、ガラス張りのドーム型図書館の建築計画を発表

米国シカゴ大学が、既存の図書館に隣接する新館を建設すると発表しています。これは、蔵書の増大に対応するもので、教員・学生・図書館司書が調査・議論を重ねた結果、ハーバード、イェールといった大学が取っているような外部の書庫を借りる方法ではなく、大学のキャンパス内中心部に図書館を新築する方が、大学にとって望ましいと判断したことによるとされています。

新館は地上部分がガラス張りのドームになっており、地下部分に完全閉架式の書庫(350万冊の収蔵能力)が設置されます。この新館により、単一のキャンパス内に蔵書を有する大学・研究図書館としては、米国の中で最大になるそうです。

総工費は8,000万ドルで、そのうち2,500万ドルを卒業生のモーニングスター社CEO・マンスエト(Joe Mansueto)氏からの寄付でまかなうことになっています。マンスエト氏は在学中、夜はもっぱら図書館で過ごしたといい、「知的生活は大学の中心であり、図書館はその核となるものである」とシカゴ・トリビューン紙のインタビューに語っています。また建築家も同学の卒業生だそうです。

University of Chicago receives $25 million gift from Morningstar CEO in support of new Library building
http://news.uchicago.edu/news.php?asset_id=1362

A crystal dome for U. of C.’s tomes – chicagotribune.com
http://www.chicagotribune.com/news/nationworld/chi-uofclibrary-12-may12,0,6923002.story

参考:
CA1591 – 図書館のガラス建築化とその思想 / 笹本直裕
http://current.ndl.go.jp/ca1591

CA1580 – 動向レビュー:「場所としての図書館」をめぐる議論 / 根本彰
http://current.ndl.go.jp/ca1580