Librarian of the Yearを産み出した図書館も、利用者の不法行為には…(米国)

米国コネチカット州ハートフォード公共図書館は、4,200万ドルをかけて建物のガラス部分を拡大し、採光のある開放的な図書館に生まれ変わりました。これにより、利用者が増加して活気ある図書館になったとして、2001年に館長が“Librarian of the Year”を、また2002年に館が“National Award for Library Service”を受賞しました。

ところが、この開放性の高さが一因となって、利用者の不法行為が続出することとなりました。トイレでの性行為・ドラッグの使用や銃を使っての恐喝、資料の窃盗、子どもの連れ去り、利用者による女性職員へのセクハラまで起こる状態となってしまいました。同館はこれまで、「開放的な場所」を目指すということで、監視カメラ等を設けず、図書館内での振る舞いに関する規則(警察を呼ぶ条件なども含めて)も作ってきませんでしたが、あまりにひどく利用者の安全が保障できないということで、職員組合が中心となって協議し、規則を設けることで対応しようと進めています。不法行為を行った利用者への対応方法の研修なども行っているようです。

なお職員組合は、地元の新聞に情報を提供し、図書館の中でどのような行為が行われ、職員がどのように考え、議論してこのような対応に至ったのかを記事にしてもらっています。

Hartford Public Library: A Study In Bad Behavior – courant.com
http://www.courant.com/news/local/hc-library0518.artmay18,0,330109.story

Hartford Public Library Under Fire for Condoning “Bad Behavior” – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6562745.html