公共図書館職員の「社会的包摂」に対する意識調査(英国)

英国のシェフィールド大学情報科学学部の「社会における公共図書館・情報センター(CPLIS)」が、公共図書館職員が「社会的包摂(social inclusion)」にどのような態度を抱いているかを調査した報告書“The right ‘man’ for the job?: The role of empathy in community librarianship”を刊行しました。

これは、2006年3月から2008年2月までの2年間にわたり、民族的・社会的・文化的マイノリティを社会(コミュニティ)が受け入れていく際の、公共図書館職員の果たす役割とその効果について、当該の図書館職員の「背景(民族的・社会的・文化的、あるいは専門職としての)」と、社会的包摂に関する「能力(効果的・感情移入的な関与ができるか)」の相関を意識して、(1) 先行する学際的な研究文献のレビュー、(2) 全国規模での質的調査、(3) フォーカスグループインタビュー、(4) 求人情報のプロファイリング、(5) 事例研究、(6) ワークショップの開催という6つの方法論で調査を行ったものです。そして、公共図書館の役割・サービスの再定義、外部の関係機関との連携、職員採用、図書館内部でのコミュニケーション・人材支援、職員研修といった各分野での望ましいあり方を勧告しています。

The right ‘man’ for the job?
The role of empathy in community librarianship
http://www.shef.ac.uk/content/1/c6/07/85/14/AHRC%202006-8%20final%20report%2004.08.pdf
http://www.shef.ac.uk/is/research/centres/cplis/research/rightman.html
(※下はプロジェクト全体のウェブサイトです。)

April 27, 2008付けPeter Scott’s Library Blogの記事
http://xrefer.blogspot.com/2008/04/right-man-for-job-role-of-empathy-in.html