「2005年に最も批判を受けた図書」をめぐる公共図書館での騒動(米国)

米国図書館協会(ALA)が発表した「2005年に最も批判を受けた図書(Most-Challenged Books of 2005)」の第1位となった性教育に関する図書“It’s Perfectly Normal: Changing Bodies, Growing Up, Sex and Sexual Health”をめぐり、米国メイン州の公共図書館で一騒動が起こっています。

2007年8月、ある女性利用者が、この図書を児童向けコーナーに置いていた2つの公共図書館から借りたまま、返却を拒否するという事件が発生しました。この利用者は「内容が子どもに不適切」だとして、資料の代金(20.75ドル)が記された小切手とともに、図書館に抗議する文書を送りました。図書館側は小切手に加え、図書館資料の再考を求めるための定型書式をつけて利用者に返し、定められた形で意見を出してもらうよう依頼しましたが、利用者は応じていないとのことです。このままだと、罰金25ドルが科される模様です。

なお、この事件が新聞等で報じられたことから、両館にはこの図書へのリクエストが殺到し、両館は新たに2部ずつ購入することにしたそうです。

Maine Woman Quarantines Sex-Education Book – American Libraries online
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2007/september2007/perfectlylewiston.cfm