化学が図書館を救う?

2007年8月5日から11日にかけて、イタリアのトリノで国際純正応用化学連合(IUPAC)の世界会議が、“化学が健康・自然環境・文化遺産を守る(Chemistry Protects Health ,Natural Environment and Cultural Heritage)”をテーマに開催されました。

会議では、所蔵する書籍のうち4冊に3冊が酸性紙と言われるヨーロッパの図書館の酸性紙問題も取り上げられ、分析化学の知によってこの問題が解決できないか議論が交わされました。分析化学の研究成果としては、本が発散する揮発性の有機化合物の量を測定することによって本の状態を非破壊的に測定する方法などが提示されています。また、酸性紙問題より厄介だとも言われる、酸性・遷移金属性インクを使用している資料の保存問題も研究対象となっています。このインクはレオナルド・ダ・ヴィンチやバッハ、ガリレオ・ガリレイといった人々の著作物にも使用されており、問題の解決が急がれていますが、まだ有効な方法について模索中ということです。

IUPAC World Chemistry Congress in Turin,Italy
http://www.iupac2007.org/

Can chemistry save our libraries?
http://www.rsc.org/chemistryworld/News/2007/August/10080701.asp