Open Preservation Foundation(OPF)、加盟団体へのアンケート調査結果のハイライトを公表:デジタル保存の現状を調査

デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)の2019年8月15日付けのブログ記事において、デジタル保存の現状について、加盟団体に対し行ったアンケート調査結果のハイライトが紹介されています。

アンケート調査は2019年3月に開始され、加盟団体のうち21団体から回答がありました。記事では、2014年に行った前回調査の結果と比較しつつ、以下のような点が取り上げられています。

・オープンソースの技術について、2014年調査では回答者の8%が利用していないと回答していたが、2019年調査では全員が現在何らかの形でオープンソースの技術を利用していると回答した。

・OPFはデジタル保存に役立つオープンソースのツール開発に携わっているが、加盟団体間でのツール利用が増加している。ファイルフォーマットの判別等を行うツールJHOVEは、2014年調査での利用率は回答者の64%であったが、2019年調査では95%を超える利用率であった。また、2019年調査では、JPEG2000フォーマットの検証ツールJpylyzerの利用率は71%、PDF/Aフォーマットの検証ツールveraPDFの利用率は57%であった。

・業務で用いているオープンソースのデジタル保存ツールを問う設問では、画像処理を行うソフトウェアであるImageMagickを挙げる回答が2019年調査では73%と多く、2014年調査の57%よりも増加していた。DROID、FFMpeg、BitCurator、Siegfried、bwFLAといったツールも広く用いられていた。

アンケート調査には組織の能力、戦略、コレクション、ワークフロー、ストレージと技術、OPFの加盟団体向け活動に関する設問も含み、結果は今後のOPFの活動に反映する予定とあります。なお、アンケート回答の詳細情報は加盟団体のみ閲覧可能となっています。

また、アンケートで収集した情報に基づき、2019年11月により広範なデジタル保存コミュニティを対象としたアンケート調査を実施し、調査結果の要点とデータを公開する予定であることが紹介されています。

Highlights from the OPF 2019 Member Survey(OPF, 2019/8/15)
https://openpreservation.org/blog/2019/08/15/highlights-from-the-opf-2019-member-survey/

参考:
E2063- Open Preservation Foundationの概要と活動
カレントアウェアネス-E No.355 2018.10.04
http://current.ndl.go.jp/e2063

Open Preservation Foundation(OPF)、2018年の事業を振り返るレポート“End of Year Highlights 2018”を発表
Posted 2018年12月26日
http://current.ndl.go.jp/node/37291