ユネスコ“Information for All Programme”と国際音声・視聴覚アーカイブ協会(IASA)、磁気テープ記録の長期保存問題に取組む“Magnetic Tape Alert Project”を開始

2019年7月15日、ユネスコの“Information for All Programme”(みんなのための情報プログラム)は、国際音声・視聴覚アーカイブ協会(IASA)と共同で、“Magnetic Tape Alert Project”を開始したと発表しています。

今日の人類の言語的・文化的に多様な知識は、過去60年間に作成された磁気テープ記録に基づいているものの、2025年頃には再生装置がなくなる可能性が高く、それらの記録を長期的に保存するためには、デジタル化し、リポジトリ内に保存することが唯一の方法と考えられおり、多くの専門機関では既に対応が進められています。

一方で、小規模機関や個人所有のものについては多くのものが未対応であることから、同プロジェクトは、視聴覚資料へのアクセスを失う差し迫ったリスクについて利害関係者に注意喚起することを目的として開始されました。

同プロジェクトでは、9月30日まで、活動の一環として、リスクの規模を評価し、今後の長期保存のための計画立案の基礎とするため、デジタル化されていない磁気テープを把握するためのアンケート調査を実施しています。ユネスコとIASAでは、主に磁気テープに記録されたコンテンツを基に調査を行なう学協会やNGOに対して、会員に注意喚起するなどして同調査を支援することを呼びかけています。

UNESCO’s Information for All Programme (IFAP) Working Group on Information Preservation launches an initiative to alert on the risk of losing access to audiovisual documents.(UNESCO,2019/7/15)
https://en.unesco.org/news/magnetic-tape-alert-project-supported-ifap

Announcing the Magnetic Tape Alert Project(IASA,2019/7/18)
https://www.iasa-web.org/blog/announcing-magnetic-tape-alert-project

Magnetic Tape Alert Project
http://www.mtap.iasa-web.org/