伝統文化の保護・促進を目的に図書館員がファッションを活用することの可能性(マレーシア)(文献紹介)

2018年8月にマレーシアのクアラルンプールで開催される第84回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、マレーシア・サラワク州立図書館のPuspa Diana Jawi氏・Japri Bujang Masli氏・Muhammad Annwar Adenan氏による“Wear the past in the present for the future”と題する文献が公開されています。

図書館・図書館員が伝統文化遺産の保護・促進を目的にファッションを活用することの可能性を議論することを目的に行った、図書館員と利用者へのアンケート調査の結果を紹介したものです。

同文献によると、マレーシア政府は、2008年から、染織工芸品・バティックを支援するため、毎週木曜日や公式行事の際に公務員がバティックを用いた衣装を着用する政策を実施しています。

調査では、バティックは美しいかという質問に対して、90.5%の図書館員と77.9%の利用者が、バティックはどのような場面でも適切な衣装であるという質問に対して、81%の図書館員と64.8%の利用者が、バティックの着用が文化遺産の保護につながるかという質問に対して、90.5%の図書館員と83.6%の利用者が同意もしくは強く同意すると回答したとのことです。

その他、サラワク州のあるボルネオ島のバティックのデザインや、図書館員が公私の場面でバティックを用いた衣装を着用している写真が掲載されています。

Wear the past in the present for the future (IFLA Library)
http://library.ifla.org/id/eprint/2271

Wear the past in the present for the future [PDF :516KB]
http://library.ifla.org/2271/1/142-jawi-en.pdf

参考:
E1694 – 京都府立図書館「宵山に繰り出す前に 浴衣で図書館」報告
カレントアウェアネス-E No.286 2015.08.06
http://current.ndl.go.jp/e1694