オープンアクセス雑誌はどの領域でうまくいくのか?:5年間の継続調査(文献紹介)

Journal of the Association for Information Science and Technology誌のオンライン版で、オープンアクセス(OA)雑誌と非OA雑誌について、2011年~2015年の被引用数に基づくインパクトの変化を論じた論文”Which domains do open-access journals do best in? A 5-year longitudinal study”が公開されています。著者は米ドレクセル大学のErjia Yan氏とKai Li氏です。

この論文はElsevier社のScopusの被引用データに基づく指標、CiteScoreについて、OA雑誌と非OA雑誌の5年間の変化を見ています。分析の結果、CiteScore上位の雑誌の間では非OA雑誌の方がより高いインパクトを獲得してきている一方で、下位の雑誌ではOA雑誌の方がインパクトが伸びていること、社会科学分野では非OA雑誌の方がインパクトを伸ばしている一方、生物化学や医学分野ではOA雑誌の方がインパクトを伸ばしていること等が報告されています。

Yan, E. and Li, K. (2018), Which domains do open-access journals do best in? A 5-year longitudinal study. Journal of the Association for Information Science and Technology. doi:10.1002/asi.24002
https://doi.org/10.1002/asi.24002

参考:
アフリカで出版される健康・医学分野の学術雑誌におけるオープンアクセス化のインパクト(文献紹介)
Posted 2017年10月24日
http://current.ndl.go.jp/node/34886

CA1693 – 動向レビュー:オープンアクセスは被引用数を増加させるのか? / 三根慎二 カレントアウェアネス No.301 2009年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1693