台湾やペルーでも、2017年からElsevier社の電子ジャーナルの閲覧が不可能に

台湾の図書館コンソーシアムCONCERTは、Elsevier社と、2017年のライセンス契約において契約料を下げるよう交渉していましたが、台湾の大学図書館の75%以上が同社の提案を拒否したことにより、交渉が決裂したと発表しています。

CONCERTでは、Google Scholor、図書館間貸出し、郵送複写サービス、学術コミュニティのネットワークを通じた学術情報資源へのアクセスを提案しています。

台湾科技大学においては、当初、2016年末までCONCERTを支持するとともに、2017年1月からはElsevier社と個別交渉することを予定していましたが、台湾教育部の政策や、他の大学との友好精神にもとづき、他の大学とともに、交渉をしないと決めたと発表しています。同大学では、影響を最小限に抑えるため、代替計画を策定し、教職員を支援するとしています。

2016年12月23日付けのNatureオンライン版記事では、ペルーにおいても、政府が国立科学技術委員会(CONCYTEC)に対して、アクセスに必要な経費を支出しないため、2017年からElsevier社製品へのアクセスできなくなることが紹介されています。

同記事では、Elsevier社を含む大手出版社と合意ができなかったフィンランドのコンソーシアムが、交渉を継続しつつ、不満足ながら契約を1年間延長したことも紹介されています。

關於Elsevier資料庫合約談判 CONCERT聲明(CONCERT,2016/12/7)
https://concert.stpi.narl.org.tw/news/249

【Announcement】Taiwan Tech to Discontinue Subscription to Elsevier ScienceDirect Starting 2017(台湾科技大学,2016/12/9)
http://library.ntust.edu.tw/files/14-1025-58352,r1-1.php?Lang=zh-tw

Scientists in Germany, Peru and Taiwan to lose access to Elsevier journals(Nature,2016/12/23付け)
http://www.nature.com/news/scientists-in-germany-peru-and-taiwan-to-lose-access-to-elsevier-journals-1.21223

参考:
ドイツ・DEALプロジェクトとElsevier社による全国規模でのライセンス契約交渉が決裂
Posted 2016年12月16日
http://current.ndl.go.jp/node/33123

フィンランドの大学・研究機関における学術雑誌購読費用の詳細が公開される 出版者ごとの詳細までの公開は世界初?
Posted 2016年6月14日
http://current.ndl.go.jp/node/31801

ペルーの国立科学技術委員会(CONCYTEC)、オープンアクセスリポジトリの全国ネットワーク“RENARE”を創設
Posted 2016年3月24日
http://current.ndl.go.jp/node/31092