独ヘルムホルツ協会がオープンアクセス方針を発表 2025年までに研究成果の100%をOAにすることを目標に設定

2016年5月30日、ドイツのヘルムホルツ協会がオープンアクセス(OA)方針を発表しました。

ヘルムホルツ協会は18の研究機関から構成されるドイツ最大の研究組織で、構成員は38,000人以上、年間予算は40億ユーロ以上にのぼります。今回、発表されたOA方針では、所属研究者に対し、すべての査読論文について、著者最終稿もしくは出版者版をリポジトリに登録するよう求めています。その上で、出版者版がOAで利用できない論文については、自然科学分野の論文は出版後6カ月以内、人文・社会科学分野については12カ月以内に、リポジトリを通じて論文を公開するよう義務付けています。また、専門書についてもリポジトリへの登録・公開を義務付けており、その場合のエンバーゴは自然科学分野では12カ月、人文・社会科学では24カ月とされています。

さらにヘルムホルツ協会のOA方針では今後のOA実現の数値目標とモニタリングの方法についても言及されており、2020年には前年に出版された研究成果の60%をOAとすることを目標に設定しています。以降、1年ごとに目標値は10%上がり、2025年には全ての研究成果をOAとすることを目標としています。

Helmholtz Association adopts open access policy(Helmholtz Association、2016/5/30付け)
https://www.helmholtz.de/en/about_us/press_releases/artikel/artikeldetail/helmholtz_gemeinschaft_verabschiedet_open_access_richtlinie/

Open Access Policy of the Helmholtz Association, 2016
http://oa.helmholtz.de/open-science-in-der-helmholtz-gemeinschaft/open-access-richtlinien/open-access-richtlinie-der-helmholtz-gemeinschaft-2016/open-access-policy-of-the-helmholtz-association-2016.html

参考:
E1725 – 欧州におけるオープンアクセス方針の実施に向けた準備状況 カレントアウェアネス-E No.291 2015.10.29
http://current.ndl.go.jp/e1725