低所得者層ほどオンラインの学習資源を活用できていない:米・Georgia Institute of Technologyによる調査

2016年5月7日から12日まで、米・カリフォルニア州サンノゼで開催されていた、米国コンピュータ学会(ACM)のCHI(コンピュータ・ヒューマン・インタラクション)2016のカンファレンスで、Georgia Institute of TechnologyのBetsy DiSalvo氏らによるグループが、貧富の差による学力差やデジタル格差を解消するための試みとして行なわれている、無料のオンライン教育プログラムの提供が、かえって格差が拡大させているとの調査結果を発表しています。

高所得者層では、親が、学校外の学習機会を調べ、それを子どもに提供する機会が多いのに対して、低所得者層は、そのようなリソースに関心がなかったり、関心があったとしても、調べるための技術的なスキルが低かったりすることが背景にあると指摘されています。

DiSalvo氏は、オンライン学習資源によって低所得層の子どもたちの学習を支援すると考えるのであれば、彼らの両親にオンライン学習リソースに関心を持ってもらうとともに、教育資源へのアクセス機会を提供することが必要であると述べています。

Lower Income Families Less Likely to Use Online Learning Tools (Georgia Institute of Technology,2016/5/12)
http://www.news.gatech.edu/2016/05/12/lower-income-families-less-likely-use-online-learning-tools

Information Seeking Practices of Parents: Exploring Skills,
Face Threats and Social Networks
http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=2858036.2858586

CHI2016
https://chi2016.acm.org/wp/