社会科学分野の学術誌編集者に尋ねた出版プロセスの舞台裏(文献紹介)

“Journal of Scholarly Publishing”誌の47巻3号(2016年4月号)に、社会科学分野の学術誌編集者に出版プロセスの舞台裏を尋ねた質問紙調査に基づく論文”A Survey of Social Science Journal Editors for Behind-the-Scenes Data on the Publication Process”が掲載されています。著者はセントラルフロリダ大学のElizabeth Ehrhardt Mustaine氏らです。

この論文では社会科学分野の学術雑誌の編集者117人を対象に、編集者としての仕事の中で経験したことや、投稿原稿の査読はどのように処理されているのか等を尋ねた結果を報告しています。調査の結果、編集者は査読やアドバイスを求める相手として編集委員会等を信頼していること、投稿原稿を扱う中で最も困難なのは査読結果の返却が遅い査読者への対応であること、剽窃の申し立てや、不適切な査読コメントの問題に直面したことがある者は稀であること等がわかったとされています。

なお、同論文は2016年5月31日まで無料でアクセス可能とのことです。

Elizabeth Ehrhardt Mustaine, Richard Tewksbury. A Survey of Social Science Journal Editors for Behind-the-Scenes Data on the Publication Process. Journal of Scholarly Publishing. 2016, 47(3), p.231-249.
http://dx.doi.org/10.3138/jsp.47.3.231

New Article: “A Survey of Social Science Journal Editors for Behind-the-Scenes Data on the Publication Process”(LJ infoDOCKET、2016/4/11付け)
http://www.infodocket.com/2016/04/11/new-article-a-survey-of-social-science-journal-editors-for-behind-the-scenes-data-on-the-publication-process/

参考:
CA1829 – 査読をめぐる新たな問題 / 佐藤翔 カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1829