出版社と図書館の関係についての英国での議論(記事紹介)

2016年2月1日付けのBooksellerが、出版社・Inpress社によって1月29日に催された“Inpress Publishing Festival”での出版社と図書館ネットワークの関係についてのセッションにおいて行われた出版業界を支援する図書館の役割についての議論を紹介しています。

出版社・Peter Owen社のケント(Nick Kent)氏は、出版業を支援する図書館の役割が崩壊しているとし、出版社が作品を発行した時、それを支援するのが文化的な国の義務で、かつては、新しいハードカバーの小説は図書館で購入されるのが常だったが、それを再確立する必要があると発言したとのことです。

それに対して、他の登壇者は図書館を擁護し、地方議会の予算を減らす政府に批評が向けられないといけないと述べたとのことです。

聴衆は、図書館との関係を結ぶことは、概して、長期的にみると売り上げを増やし、コミュニティとのより広範で持続的な関係性を生むという意見に賛同したとのことです。

また、出版社・Emma Press社のライト(Emma Wright)氏は、図書館との関係は、ビジネス中心ではなく、読書により人を励ますためのツールであり、長期的な仕事であると述べたとのことです。

一方、英国読書協会でプログラムコーディネータを務めるメンダム(Katy Mendham)氏は、図書館は、著者を公にし、著者の名前を認識させることを支援する、利用しやすく、歓迎される場所であると述べたとのことです。

‘Libraries have betrayed publishers’, festival hears(The Bookseller,2016/2/1付け記事)
http://www.thebookseller.com/news/publishers-should-partner-libraries-321273

The Inpress Festival of Publishing 2016(Inpress)
http://inpressbooks.co.uk/pages/the-inpress-festival-of-publishing-2016