なぜ図書館は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を所蔵していないのか(記事紹介)

米GIZMODOに2015年10月2日付けで、”Why Don’t Libraries Have Dungeons & Dragons Gamebooks?”と題した記事が掲載されています。著者はサウスフロリダ大学教員のEdward Schneider氏です。

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は世界初のロールプレイングゲーム(RPG。ゲーム機等を使わず、紙やサイコロ等の道具を使いながら、ルールブックに従い、人間同士の会話によって遊ぶゲーム)です。40年以上の歴史を持ち、日本のコンピュータゲームにおけるRPGにも大きな影響を与えたとされています。

Schneider氏はこのRPGのための資料(ルールブックやゲーム中で使用するための地図等をまとめたもの)について、スポーツのルールブックや地図帳等と同じくレファレンス資料であり、図書館で所蔵すべきものであると考え、Worldcatを用いて米国の図書館におけるその所蔵状況を調査しています。結果をまとめた論文は”The Reference Librarian”誌に掲載されていますが、GIZMODOの記事ではその解説を行っています。

調査の結果、OCLC加盟図書館のうちRPG関係資料を所蔵している図書館は10%にも満たず、ISBNが付与されているものであってもほとんどの図書館で所蔵されていないことがわかったとされています。GIZMODOの記事ではさらにその理由の考察も行われています。

Why Don’t Libraries Have Dungeons & Dragons Gamebooks?(GIZMODO、2015/10/2付け)
http://gizmodo.com/why-dont-libraries-have-dungeons-dragons-gamebooks-1734320706

Edward Schneider, Brian Hutchison. Referencing the Imaginary: An Analysis of Library Collection of Role-Playing Game Materials. The Reference Librarian. 2015, vol.56, no.3, p.174-188
http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02763877.2014.1002716

参考:
山中湖情報創造館、ボードゲームの館内貸出し開始 あわせて月1回ペースで「ボードゲームの日」も実施
Posted 2015年7月17日
http://current.ndl.go.jp/node/28944

E863 – 全米でイベント「図書館でゲームをする日」が開催される カレントアウェアネス-E No.140 2008.12.10
http://current.ndl.go.jp/e863