Emerald社、図書館情報学分野の雑誌等を対象に出版直後からの機関リポジトリ登録を認める” Zero Embargo trial”を開始

2015年7月10日、Emerald Group Publishing社は同社が刊行する図書館情報学分野のすべての雑誌と、情報・知識管理分野の一部の雑誌を対象に、論文出版直後からの機関リポジトリ等への登録を認める” Zero Embargo trial”を実施することを発表しました。対象となるのは”Library Review”、”Journal of Documentation”等の21誌です。

Emerald社では通常、同社の雑誌に掲載された論文の著者最終稿をリポジトリ等で公開する際には、論文出版から24ヵ月間の猶予期間(エンバーゴ)を置くことを求めています。これに対し今回実施されるZero Embargo trialの対象誌については、論文公開直後から、著者最終稿を機関リポジトリ等で公開することが認められることになります。なお、対象となるのは助成機関や所属機関等のポリシーによりオープンアクセス化が義務付けられている(”mandated”)論文に限られます。

このtrialはEmerald社に新たに設けられたLibrarian Advisory Group (LAG)の意見に従って実施に至ったとのことです。LAGは同社の図書館情報学分野の主要な編集者や著者によって構成されています。

Emerald Announce Library and Information Science Journals Green Open Access Trial(Emerald Group Publishing、2015/7/10付け)
http://www.emeraldgrouppublishing.com/about/news/story.htm?id=6249

参考:
Emerald社、IFLAとのパートナーシップに基づき図書館情報学分野の論文32本を新たにオープンアクセス化
Posted 2013年3月14日
http://current.ndl.go.jp/node/23089

Elsevier社がセルフアーカイビング等に関する新たなポリシーを発表
Posted 2015年5月12日
http://current.ndl.go.jp/node/28452