ARLとACRL、NCESの大学に関する情報収集に携わる組織“IPEDS”による大学図書館の調査に関して「大学図書館」の定義等の変更を求めるため、共同諮問委員会を設置

北米研究図書館協会(ARL)と大学・研究図書館協会(ACRL)は、2015年度(2015年10月~)に向け、中等後教育総合データ組織(Integrated Postsecondary Education Data System:IPEDS)の大学図書館調査について、「大学図書館」の定義等の変更を求めるため、共同諮問委員会を設置しました。2015年7月には、正式な勧告を出す予定のようです。

なお、“IPEDS”は、NCESによって毎年行われる、大学や大学院、連邦学生支援プログラムに参加している職業技術教育機関などの調査を行うのための組織とのことです。

なお、共同諮問委員会の設置に関連する背景として、まず、米国において、大学図書館に関する統計は、かつて全米教育統計センター(National Center for Education Statistics:NCES)が図書館情報学国家委員会(National Commission on Library and Information Science: NCLIS)とともに、あらゆる館種の図書館(大学・公共・州立・学校図書館等)について2年に1度採取していました。

その後、2008年にNCLISがIMLS統合により消滅し、かつNCESの再編制が行われた影響で、公共図書館、州立図書館の統計については博物館・図書館情報サービス機構(Institute of Museum and  Library Services:IMLS)に引き継がれた一方、大学図書館と学校図書館のデータはNCESが保持したままとなっており、大学図書館に関する調査は大きくその内容に変更が加えられた上で、IPEDSのデータ収集システムに移管されたとのことです。

なお、“IPEDS”による改変後の大学図書館調査は2014年度から行なわれているようです。

ARL, ACRL, ALA Form Joint Advisory Task Force to Clarify Academic Library Definitions in IPEDS Survey(ARL, 2015/5/28)
http://www.arl.org/news/arl-news/3621-arl-acrl-ala-form-joint-advisory-task-force-to-clarify-academic-library-definitions-in-ipeds-survey#.VXDy0tK-2Fx

IPEDS Survey Components(IPEDS)
https://nces.ed.gov/ipeds/resource/survey_components.asp

IPEDS
https://nces.ed.gov/ipeds/

参考:
全米教育統計センター(NCES)、米国大学図書館統計の2012年版を公開
Posted 2014年2月17日
http://current.ndl.go.jp/node/25494

E780 – NCLIS,IMLSに統合
カレントアウェアネス-E No.127 2008年5月14日
http://current.ndl.go.jp/e780

図書館研究シリーズ No.40 
米国の図書館事情2007-2006年度 国立国会図書館調査研究報告書
3.3 NCLIS(全国図書館情報学委員会)
http://current.ndl.go.jp/node/14378