図書館員の研究データ支援への関わりの状況は?ARL加盟館所属のサイエンス・ライブラリアンに対する調査(記事紹介)

大学・研究図書館協会(ACRL)の刊行する“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.75, no.4に、Karen Antell氏らによる記事“Dealing with Data: Science Librarians’ Participation in Data Management at Association of Research Libraries Institutions”が掲載されています。

2013年1月から米国科学財団(NSF)の助成金申請に関するガイドラインが変更され、研究データの管理が求められるようになったことなどにより、大学図書館では、研究データ管理の支援により積極的に関わるようになっています。この論文は、そのような状況を踏まえつつ、サイエンス・ライブラリアンを対象に実施した研究データ管理支援等の状況について調査の結果をまとめたものです。

調査は、2012年9月に、北米研究図書館協会(ARL)加盟館116館に所属する507人のサイエンス・ライブラリアン対し、電子メールで質問を送付する形で行われたものです。調査は、7件のエラーを除くとちょうど500のアカウントに送付され、175人からの回答を得たとのことです。また質問は16問で、5段階評価や自由記述を織り交ぜたものとのことです。

結果では以下のようなものが示されています。
・NSFの研究データに関する指示については、回答者の94.9%が認識。
・所属機関がデータリポジトリを有している回答者は23.5%、計画中であるとした回答者は27.1%。
・所属機関が科学者の研究データ管理計画の作成支援を行っているとした回答者は、60.1%、計画中であるとした回答者は17.8%。
・研究データ管理支援にあたってライブラリアンに求められるスキルについてや、データのライフサイクルに関する知識(17.1%)、主題知識(13.8%)、コミュニケーションやレファレンススキル(10.8%)などが上位。
・データ管理支援に求められるスキルを持っているとした回答者は23.3%、獲得中とした回答者は31.6%。

また、その他、所属機関におけるデータリポジトリや研究データ管理支援に関わる職員の人数や、職務内容などが調査されています。

アブストラクトによると、図書館員や図書館等の役割、求められるスキルについては不確実と捉えられている一方で、伝統的な図書館員がこの領域に適応できると楽観視されている状況が明らかになったようです。

Dealing with Data: Science Librarians’ Participation in Data Management at Association of Research Libraries Institutions
http://crl.acrl.org/content/75/4/557.short

参考:
CA1818 – 研究データ共有時代における図書館の新たな役割:研究データマネジメントとデータキュレーション / 池内有為 カレントアウェアネス No.319 2014年3月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1818

E1566 – 研究データ同盟第3回総会<報告> カレントアウェアネス-E No.259 2014.05.22
http://current.ndl.go.jp/e1566