Knowledge Unlatched、オープンアクセスの試行についての概要報告を公開

2014年5月付で、学術出版物の継続的なオープンアクセス出版を支援するKnowledge Unlatchedが、オープンアクセスの出版モデルの試行についての概要レポート“Knowledge Unlatched Pilot Progress Summary Report”を公開しました。

2013年10月から2014年2月にかけて行われた試行では、13の出版社から提供された28の学術書を対象として、各国の図書館からの支援をよびかけ、OA出版を行ったとのことです。想定を上回る24か国297の図書館からの協力を得て、各館あたりの負担額は当初想定されていた1,680ドルから、実際には1,195ドルとなり、1タイトルあたりの負担額も43ドル以下(想定された平均は60ドル)であったとのことです。出版社にはクリエイティブコモンズのライセンスを求めたところ、CC BY-NC-ND(表示 – 非営利 – 改変禁止)が24タイトルと84%を占め、CC BY-NC(表示 – 非営利)が3タイトル、CC BY-ND(表示 – 改変禁止)が1タイトルであったとのことです。

試行では解決できなかった課題として、試行の対象としたタイトルのISBNの不一致による利用統計取得に困難があったことなどが挙げられています。

今後、試行の利用統計や分析を予定しており、詳しいレポートは、2014年の第二四半期に公開される予定とのことです。

Knowledge Unlatched Pilot Progress Summary Report
http://collections.knowledgeunlatched.org/wp-content/uploads/2013/09/KU_Pilot_Progress_Summary_Report.pdf

Knowledge Unlatched Pilot Collection Title List
http://www.knowledgeunlatched.org/downloads/Knowledge-Unlatched-Pilot-Collection-Title-List.pdf

Knowledge Unlatched Project Prospectus
http://www.knowledgeunlatched.org/wp-content/uploads/2014/01/KU-Pilot-Prospectus.pdf

参考:
E1513 – OAが人文系学術書に与える影響 オランダからの報告
カレントアウェアネス-E No.250 2013.12.12
http://current.ndl.go.jp/e1513

Portico、Knowledge Unlatchedと提携し電子書籍を保存
Posted 2014年1月10日
http://current.ndl.go.jp/node/25235