オープンアクセスメガジャーナルに論文を発表しているのはどんな人?(文献紹介)

2014年4月22日、オープンアクセス(OA)雑誌PeerJで” A survey of authors publishing in four megajournals”と題した論文が公表されました。著者はミシガン州立大学のDavid J. Solomon氏です。

この論文はBMJ Open、PeerJ、PLOS ONE、SAGE Openの4つのOAメガジャーナルで論文を発表していた著者2,128人を対象に行ったWeb調査の結果を述べたものです。回答率は26%(BMJ Openの著者)~47%(SAGE Openの著者)でした。分析の結果、以下のようなことがわかったとされています。

・これらの著者がメガジャーナルに投稿した論文のうち25%が予備的な結果を述べたものである
・他の雑誌で却下された後にメガジャーナルに投稿された論文は全体の半数に満たない
・雑誌の質と査読の速さがこれらのメガジャーナルが選ばれた主要な理由である。PLOS ONEとBMJ Openはどちらもインパクトファクターがついているが、インパクトファクターを重視していたのはPLOS ONEに投稿した著者だけである
・PeerJに投稿していた著者は査読方針とOAであること自体を重視している
・PLOS ONEの著者の約半数、BMJ OpenとPeerJの著者の3分の1が外部資金から論文出版加工料(APC)を賄っていたが、SAGE Openの著者では外部資金を用いていたのは約10%にとどまる。また、SAGE Openの著者の60%、PeerJの著者の32%がAPCを自腹で支払っている

Solomon DJ. (2014) A survey of authors publishing in four megajournals. PeerJ 2:e365
http://dx.doi.org/10.7717/peerj.365

参考:
メガジャーナルがやってくる!(文献紹介) Posted 2011年11月2日
http://current.ndl.go.jp/node/19444

人文・社会科学系オープンアクセス誌“SAGE Open”が投稿料を99ドルに値下げ Posted 2013年1月25日
http://current.ndl.go.jp/node/22784

E1277 – 2020年,学術論文の90%はOA誌に掲載される?<文献紹介> カレントアウェアネス-E No.212 2012.03.29
http://current.ndl.go.jp/e1277