図書館向け電子書籍の利用分析 大学出版局によるタイトルはよく利用される傾向

2014年ALA冬季大会の中で行われた図書館向けの電子書籍サービス、ebraryとEbook Library(EBL)の利用分析に関する発表が、STM Publishing News等のサイトで取り上げられています。

この発表はデンバー大学図書館のMichael Levine-Clark氏が2014年1月24日にProQuest社の主催会場で行ったものです。ProQuestはebraryとEBLの双方を運営しており、分析に用いたデータもProQuestから、匿名化した上でLevine-Clark氏に提供されたとのことです。SlideShareに公開されている発表資料によれば、分析対象はebraryについては2010年~2013年9月まで、EBLについては2011年~2013年9月の利用データで、分析に含まれるタイトル数はebraryが435,417タイトル、EBLが217,457タイトルでした。

分析の結果、大学出版局により出版されたタイトルはセッション数、閲覧数、印刷されたページ数、ダウンロードされた回数等あらゆる点で他のタイトルに比べ数が多かったこと、社会科学分野のタイトルは人文学やSTM分野に比べてよく利用されている傾向があること、自然科学分野のタイトルは1セッションあたりの行動数が他の分野よりも多かったことなどが示されました。また、Levine-Clark氏は「利用」に該当しうる指標はセッション数や閲覧されたページ数など複数ありえることを示した上で、アメリカ史分野のタイトルは利用されるタイトルの割合は少ない一方で1セッションあたりのページ閲覧数は多く、教育学分野は利用されるタイトルの割合は多いものの1セッションあたりのページ閲覧数は少ないなど、指標によって異なる傾向があることも示しています。

ebrary and EBL Data Study Sheds Light on Ebook Use(STM Publishing News、2014/1/27付け)
http://www.stm-publishing.com/ebrary-and-ebl-data-study-sheds-light-on-ebook-use/

ebrary and EBL Data Study Sheds Light on Ebook Use(PR Newswire、2014/1/24付け)
http://www.prnewswire.com/news-releases/ebrary-and-ebl-data-study-sheds-light-on-ebook-use-241815311.html

Levine-Clark, Michael, Diving into eBook Usage: Assessing the Swell of Information,” ProQuest Tech Series. Philadelphia, January 24, 2014.(SlideShare)
http://www.slideshare.net/MichaelLevineClark/levineclark-michael