図書館情報学における“ベストプラクティス”は本当に“ベスト”なのか(文献紹介)

“EBLIP”(Evidence Based Library and Information Practice)の2013年のNo.4において、“Are Best Practices Really Best? A Review of the Best Practices Literature in Library and Information Studies”と題するレビュー記事が掲載されています。図書館情報学分野の文献で頻繁に用いられている“best practice”(ベストプラクティス)という用語に関するものです。

サマリーによると、この記事では、文献において“ベストプラクティス”とされているものがどのようなエビデンスに基づいて他の事例から区別されているのかを、既存の113件の文献をレビューし、分析しています。結果として、エビデンスのベースになっているのは、(1)意見(15%)、(2)文献レビュー(12%)、(3)著者の働いている図書館における事例(17%)、(4)質的・量的なアプローチ(14%)、(5)上記の組み合わせ(30%)、(6)その他(12%)となっていたとのことです。また、“ベストプラクティス”という用語の定義についても分析されており、多くの文献(83%)で定義されていなかったとのことです。

Are Best Practices Really Best? A Review of the Best Practices Literature in Library and Information Studies
http://ejournals.library.ualberta.ca/index.php/EBLIP/article/view/20021/15939

参考:
E1304 – エビデンスサマリーとは何か?季刊誌EBLIPの取組とその分析 カレントアウェアネス-E No.217 2012.06.28
http://current.ndl.go.jp/e1304