図書館による電子書籍貸出において著作者への“フェア”な支払いを求める 英国著作家協会がレポートを発表

2013年6月11日、英国著作家協会(The Society of Authors)が、公共図書館による電子書籍の貸出によるロイヤリティと公貸権についてまとめたレポート“Briefing note on PLR and Royalties from Library elending”を刊行しました。

同協会は、このレポートに基づき、次のようにコメントを発表しています。
1. 出版社は、図書館による電子書籍貸出において、電子書籍をライセンス契約ではなく販売扱いにすることによって、著作者への支払いを不当に低いものとしてしまっている可能性があること
2.政府は電子書籍貸出における公貸権に関する費用を著作者に対して支払っていないこと

そして、以上を踏まえ同協会は、紙媒体で本を販売し貸し出す場合と比べて、著作者の収入が最大2/3程度減ってしまうかもしれないと述べ、出版社に対して利子を付けて不足分を著作者に支払うことと、政府に対しては公貸権に関する条項を定めること等を求め、著作者に対してその成果に見合った“フェア”支払いが行われるべきだとしています。

Philip Pullman calls for authors to be paid properly for ebook library loans (The Society of Authors 2013/6/11付けの記事)
http://www.societyofauthors.org/soa-news/authors-underpaid-ebook-library-loans

SoA warns publishers over e-book loans to libraries (The Bookseller 2013/6/11付けの記事)
http://www.thebookseller.com/news/soa-warns-publishers-over-e-book-loans-libraries.html

英作家団体Society of Authorsから出版各社へ、図書館への電子書籍供給は「ライセンス方式のみ」 (hon.jp 2013/6/11付けの記事)
http://hon.jp/news/1.0/0/4459/

参考:
CA1754 – 動向レビュー:英国における公貸権制度の最新動向―「デジタル経済法2010」との関連で / カオリ・リチャーズ
http://current.ndl.go.jp/ca1754