文化庁が電子書籍の配信実験「文化庁eBooksプロジェクト」を開始

2013年1月29日、文化庁が、2月1日から3月3日にかけて、電子書籍の配信実験「文化庁eBooksプロジェクト」を実施することを発表しました。「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する実証実験」の一環として位置付けられたもので、野村総合研究所が受託事業者となり、紀伊國屋書店が配信協力を行います。

この実験プロジェクトでは、国立国会図書館のデジタル化済み資料から配信対象資料が選定され、著作権処理、電子書籍の制作、電子書店を通した配信、一般ユーザからの評価の検討が行われます。そして、将来、民間事業者や公的機関などが、既存のデジタル化資料を基に電子書籍を作成・配信する場合のガイドが作成される予定です。

発表文では、第1回配信予定資料(2月1日~)として以下の7タイトルが挙げられています。

(1)浪花禿箒子著・石川豊信画「絵本江戸紫」(1765)
(2)「平治物語〔絵巻〕」(第一軸:三条殿焼討巻)(1798)住吉内記写
(3)上田萬年訳(グリム原著)「おほかみ」(1889)吉川半七
(4)竹久夢二「コドモのスケッチ帖」(1912)洛陽堂
(5)芥川龍之介「羅生門」(1917)阿蘭陀書房
(6)芥川龍之介「河童」(1927)直筆原稿
(7)酒井潔「エロエロ草紙」(1930)竹酔書房

また、第2回配信予定資料(2月8日~)として以下の6タイトルが挙げられています。

(8)柳田國男「遠野物語」(1910)自費出版
(9)夏目漱石「硝子戸の中」(1915)岩波書店
(10)永井荷風「腕くらべ」(1918)新橋堂
(11)宮澤賢治「春と修羅」(1924)関根書店
(12)宮澤賢治「四又の百合:宮澤賢治童話集」(1948)百華苑
(13)「きしゃでんしゃ」(1953)トツパン

収録内容は、国立国会図書館所蔵のデジタル化資料を基に、出版当時のままで掲載されているということです。

文化庁eBooksプロジェクトについて(PDF:6ページ)
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/ebooks_130129.pdf

国立国会図書館デジタル化資料
http://dl.ndl.go.jp/

1月29日の朝日新聞記事「国会図書館の蔵書配信」について(国立国会図書館 2013/1/29付けニュース)
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2012/1199380_1827.html