大学図書館の機関リポジトリのコスト分析(文献紹介)

オープンアクセス誌D-Lib Magazineの2013年1・2月号(19巻1・2号)が公開されました。7本の記事が掲載されています。

そのなかに、米ミズーリ大学のバーンズ(C. Sean Burns)氏らによる“Institutional Repositories: Exploration of Costs and Value”があります。これは、大学図書館の機関リポジトリのコストおよびその価値について論じたものです。筆者らは、機関リポジトリを運用している大学図書館を対象にアンケート調査を行い、その回答(有効回答49)に基づき、機関リポジトリのソフトウェアがオープンソースか商用かどうか、登載コンテンツ数、マンデートの有無、セルフアーカイブによるコンテンツ登録かどうか、大学のカーネギー分類や学生数、などの観点からコストの差を分析しています。

分析から分かったこととして、状況は大学によって一様ではなく、さらなる研究を行う際にはカーネギー分類などによって対象を特定のカテゴリーに絞るべきだとしています。また、ソフトウェアがオープンソースか商用であるかの違いによらず、年間運用コストに差が見られなかった点が驚きであったとも述べられています。

Institutional Repositories: Exploration of Costs and Value
http://dx.doi.org/10.1045/january2013-burns

D-Lib Magazine, 19(1-2)
http://dx.doi.org/10.1045/january2013-contents