複雑な情報についての理解と議論を助けるために 博物館における国勢調査を利用した展示プロジェクト“CoCensus”

2012年7月2日付けの全米人文科学基金(National Endowment for the Humanities:NEH)の記事で、NEHによるデジタル人文学スタートアップグラントを受けたプロジェクトが紹介されています。

“CoCensus”というそのプロジェクトは、イリノイ大学シカゴ校の研究者らによって進められているもので、2005-2009年の国勢調査を利用したジェーン・アダムズ・フルハウス・ミュージアム(Jane Addams Hull-House Museum)における展示プロジェクトです。文化・歴史研究が複雑な情報で満たされており、その複雑な情報について来館者自身が議論するのを支援することを目的に行われているとのことです。

具体的にこの展示プロジェクトは、来館者自身の人種・民族・国民的なバックグラウンド情報を登録したRFIDカードを利用し、そのカードを持つ来館者がシカゴの地図が表示されたディスプレイの前に立つと、国勢調査のデータをもとに、来館者と同じバックグラウンドを持つ住民がどの地域に多いのか等をディスプレイで表示してくれるというものです。例えば、メキシコからの移民の場合、メキシコにルーツのある住民が2005年から2009年の間にどの地域に住んでいたのかを表示してくれるとのことです。

CoCensus: Engaging with Census Data in the Museum (National Endowment for the Humanities 2012/7/2付けの記事)
http://www.neh.gov/divisions/odh/featured-project/cocensus-engaging-census-data-in-the-museum