人文学研究のデジタル化に対応 CLIRとNITLEが新たなデジタル出版モデル“Anvil Academic”を発表

2012年2月13日、米国の図書館情報資源振興財団(Council on Library and Information Resources:CLIR)と米国立技術・教養教育研究所(National Institute for Technology and Liberal Education:NITLE)が、新たな人文学のデジタル出版モデルとして“Anvil Academic”を発表しました。これは人文学研究が大規模なデータセットに基づいて行なわれるようになってきていることを受けて、これまでの伝統的な研究論文では表現できなかった、デジタル技術を反映させた新たな形式での学術出版を目的としているようです。Anvil Academicで出版される学術書は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで提供され、モバイル端末等でも利用できるものとなるようです。また、Anvil Academicを通じて刊行される学術書全てを、「米国デジタル公共図書館」(DPLA)で採用される標準やプロトコルに対応させるとともに、Anvil AcademicはEuropeanaの技術要件や、人文・社会科学の学術図書のオープンアクセスを推進するコンソーシアム“Open Access Publishing in European Networks”(OAPEN)のガイドラインに沿ったものとなるようです。Anvil Academicでの学術書の刊行は、2012年の後半を予定しているようです。

CLIR and NITLE to Launch Academic Publishing Program (Council on Library and Infromation Resources 2012/2/14付けの記事)
http://www.clir.org/about/news/pressrelease/AnvilAcademic

CLIR and NITLE to Launch Digital Academic Publishing Program (National Institute for Technology in Liberal Education 2012/2/13付けの記事)
http://www.nitle.org/live/news/195-clir-and-nitle-to-launch-digital-academic

参考:
欧州の6大学出版会がOA出版を推進するコンソーシアムを結成
http://current.ndl.go.jp/node/6955

E1235 – 「米国デジタル公共図書館」(DPLA),初の総会を開催
http://current.ndl.go.jp/e1235