国際博物館会議(ICOM)、「失われる危険のあるエジプト文化遺産リスト」を発表

2012年2月6日、国際博物館会議(International Council of Museums:ICOM)が、エジプトのカイロにあるエジプト文明国立博物館(National Museum of Egyptian Civilisation in Cairo:NMEC)において、「失われる危険のあるエジプト文化遺産リスト」(Emergency Red List of Egyptian Cultural Objects at Risk)の刊行を発表し、ICOMのJulien Anfruns議長からNMECのMohammed Abdel Fatah館長にそのリストが手渡されたようです。このリストは、2011年の同国の政変の最中に博物館等から文化遺産が略奪されたことを受けて、その保護のためにまとめられたもののようです。ICOMは、このリストを作成した目的について、不法に入手された文化遺産が売買されないように、法で保護されている文化遺産に関する情報を、芸術・文化遺産の担当者や政府関係者、古美術品のディーラー等に対して提供するものであるとしているようです。なお、ICOMはこれまでにも、アフリカの考古遺産や、中国・コロンビア等の文化遺産に関するレッドリストを発表しています。

Emergency Red List of Egyptian Cultural Objects at Risk (PDF)
http://icom.museum/fileadmin/user_upload/images/Redlists/Egypt/EmergencyRedListofEgyptianCulturalObjectsatRisk_ENG.pdf

ICOM publishes a new Emergency Red List: the Emergency Red List of Egyptian Cultural Objects at Risk (2012/2/6付けの記事)
http://icom.museum/news/news/article/icom-publishes-a-new-emergency-red-list-the-emergency-red-list-of-egyptian-cultural-objects-at-risk-1/L/news.html

参考:
国際ブルーシールド委員会、エジプト情勢を憂慮する声明を発表
http://current.ndl.go.jp/node/17557

カイロでのデモ隊と軍の衝突によるエジプト研究所の火災で貴重資料等が焼失
http://current.ndl.go.jp/node/19774

国際ブルーシールド委員会、エジプト研究所での火災による資料焼失に対し声明を発表
http://current.ndl.go.jp/node/19830