スペイン文化省、同国の刑務所図書館の現状をまとめたレポートを公表

2011年12月5日に、スペイン文化省内の一組織として、同国の読書や書籍の現状を調査している“Observatorio de la Lectura y el Libro”が、「スペインにおける刑務所組織の図書館」(Las Bibliotecas de Instituciones Penitenciarias en España)と題するレポートを公開しました。レポートでは同国での刑務所図書館の歴史的な経緯や法的枠組みの解説の他、68の刑務所を対象に実施したアンケート調査結果に基づいた人的・財政的現状等を紹介しています。文化省のニュースリリースでは以下の点が指摘されています。
・調査対象図書館の半数程度にしか読書室が設けられていないこと
・蔵書の構築は寄贈という方法が一般的であり、選書ができない状況にあること
・利用が多いのは文学作品で、次に法情報に関する資料であること
・司書有資格者の図書館員がいる図書館がひとつもないこと
・図書館サービスとしては独房への貸出が最も多く96%の図書館が実施しており、70%の図書館で読書へのアニマシオン(animación a la lectura)を行なっていること

同省ではこれらの調査結果をもとに、刑務所組織内での読書推進活動を進めるとしているようです。

Las Bibliotecas de Instituciones Penitenciarias en España: Aproximación a las bibliotecas de centros penitenciarios y sus servicios (PDF)
http://www.mcu.es/libro/docs/MC/Observatorio/pdf/Observatorio_BiblioInstPenitenciarias.pdf

Informe sobre las Bibliotecas de Instituciones Penitenciarias en España (PDF) (Ministerio de Cultura 2011/12/5付けのプレスリリース)
http://www.mcu.es/archivoswebmcu/gabineteprensa/notas/29522011/penitenciarias.pdf

Informe sobre las Bibliotecas de Instituciones Penitenciarias en España (Ministerio de Cultura 2011/12/5付けの記事)
http://www.mcu.es/gabineteprensa/mostrarDetalleGabinetePrensaAction.do?prev_layout=notas&layout=notas&cache=init&html=29522011nota.txt