文化遺産のデジタル化に積極的なGoogle、そのねらいは(記事紹介)

2011年11月20日付けのNew York Timesに“Quietly, Google Puts History Online”と題する記事が掲載されています。記事では、イスラエル博物館と共同で行なった死海文書のデジタル化等、Google Cultural Instituteが文化機関と協力して積極的に展開している資料デジタル化プロジェクトについて取り上げています。Google Cultural Instituteの所長であるSteve Crossan氏のインタビューを交えながら、記事では、Googleとしてはユーザーが文化をオンラインで利用したり保存できたりするようなツールやサービスを構築し、小規模な文化機関が所蔵資料を自前でデジタル化してオンラインで公開できるような標準ツールの開発も行っていること、また、Googleはエンジニアであり技術者であるため、大量の資料のデータをユーザーに届けるためには、それに精通した文化機関の職員や歴史研究者等との協同が欠かせないという話を紹介しています。また、Googleが協力した文化機関から即時の財政的見返りを求めない等としていることについては、良いコンテンツをオープンスタンダードでウェブに公開することは、ウェブにとってもユーザーにとっても良いことであり、それがゆくゆくは実を結ぶことになるのだ、と述べるCrossann氏のコメントも紹介しています。

Quietly, Google Puts History Online (New York Times 2011/11/20付けの記事)
http://www.nytimes.com/2011/11/21/technology/quietly-google-puts-history-online.html

参考:
イスラエルのヤド・ヴァシェム記念館、Googleと提携してホロコースト関係写真資料等をデジタル化公開
http://current.ndl.go.jp/node/17519

イスラエル博物館とGoogle、デジタル化死海文書を公開
http://current.ndl.go.jp/node/19159