2008年の米国の公共図書館におけるインターネットサービス状況の分析-経済危機の影響はいかに?

全米の公共図書館における、コンピュータやインターネットへのアクセス状況を調査した報告書“Libraries Connect Communities”の2008-2009年版をもとに、過去の調査と比較して、2008年の状況を分析した論稿が、First Monday誌14巻11号に掲載されています。

・図書館の開館時間が平均して減っており、特に貧困地区や郊外の図書館は大きく減っている。
・端末台数はおおむね2002年と同じだが、利用要求は増え続けている。
・利用者の要求に見合う台数のワークステーションがあると答えた図書館はわずか18.9%。
・利用者の要求に見合うインターネット接続スピードが常に出ていると答えた図書館は39.9%。ただし郊外の図書館は28.6%、貧困地区の図書館は25.1%とさらに悪い数値が出ている。
・94.1%の図書館が1人当たりの端末利用時間を定めており、その多くが1時間未満である。

といったデータをもとに、求職等のため図書館の端末を利用しに訪れる利用者が記録的な数になっているにも関わらず、十分なサービスが提供できていないことなどを指摘しています。

John Carlo Bertot, Paul T. Jaeger, Charles R. McClure, Carla B. Wright, Elise Jensen. Public libraries and the Internet 2008-2009: Issues, implications, and challenges. First Monday. 2009, 14(11).
http://firstmonday.org/htbin/cgiwrap/bin/ojs/index.php/fm/article/view/2700

参考:
米国の公共図書館におけるインターネットアクセス状況調査の最新版
http://current.ndl.go.jp/node/14521