群集の暴動で記録文書が破壊されてしまった事件から学ぶもの(インド)

インドのプネ市にあるBhandarkar東洋研究所に2004年1月4日、およそ150人の武装した若者が政治的スローガンを叫びながら乱入し、閲覧室の設備を破壊し、手稿や記録文書、石板など(数点から数点まで諸説ありとのこと)を破壊・盗難するという事件が発生しました。この事件がなぜ起きたのか、その歴史・文化・宗教的背景(植民地、カースト等)、同研究所のような研究図書館・文書館が持つ文化・政治的な象徴性などを分析し、このような事件がインド以外でも起こりうることを説き、それを避けるためにはどうすればよいのかを論じた論文が、LIBRI誌の“Best Student Paper Award 2008”に選ばれ、オンラインで公開されています。

Michelle Caswell. Irreparable Damage: Violence, Ownership, and Voice in an Indian Archive. Libri. 2009, 59(1), p. 1-13.
http://www.librijournal.org/pdf/2009-1pp1-13.pdf