米国ボストン大学、全学の教授・経営陣全会一致でOA推進方針を採択

米国ボストン大学が、全学の教授・経営陣全会一致でオープンアクセス推進方針を採択したと報じられています。この方針は、2008年9月に、同学の学術活動評議委員会、研究活動・図書館・支援サービス教員評議委員会が策定し勧告した案を採決したもので、(1) 大学の集中型ナレッジベースと機関リポジトリのためのインフラ構築、(2) 日々の業務運営におけるオープンアクセスの推進、の2本の柱からなりたっています。(1)では学位論文をはじめとする研究活動の成果のデジタル提供・保存、検索・ナビゲーションシステムの整備、外部データへのリンク、オープンアクセスの活用方法についての教員・学生への教育、オープンアクセスで提供されるツールやリソースを用いた研究・教育の促進が、(2)では著者の著作権保持、査読付きオープンアクセス誌の刊行、テニュア獲得や昇進に際し査読付きオープンアクセス誌への論文掲載を公平に扱うこと、図書館が出版社とライセンス契約等を行う際の支援を行うこと、大学の刊行誌がオープンアクセスに参加することの促進が、具体的方策として挙がっています。大学組織全体としてオープンアクセス方針を公式に採用したのは、米国では初めてではないか、とのことです。ただ実施期日は明らかにはなっていません。

Open Access Initiative | BU Today
http://www.bu.edu/today/node/8325

Boston U Faculty, Admin Endorse Institution-Wide Open Access – 2/20/2009 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6638679.html

参考:
ハーバード大学文理学部、全会一致で研究成果のOA化を義務化
http://current.ndl.go.jp/node/7292
ハーバード大学ロースクールでも研究成果のOA化を義務化
http://current.ndl.go.jp/node/7793
ハーバード大学文理学部、SPARC Innovatorsに選ばれる
http://current.ndl.go.jp/node/8174
サウサンプトン大学、全学対象のOA義務化方針を採択
http://current.ndl.go.jp/node/7636

SPARCとScience Commons、大学等の組織向けOAポリシー策定ガイドを公表
http://current.ndl.go.jp/node/7748