オランダの図書館協会の連合組織、文化遺産資料のデジタル化・提供に関し著作権者団体と合意

オランダ公共図書館協会、オランダ図書館・情報・知識専門家協会(NVB)、オランダ王立図書館、オランダの13大学図書館コンソーシアム(UKB)の4者からなるオランダ図書館フォーラム(FOBID)が2009年1月30日、オランダの知的財産権管理団体の協会“VOI©E”と協同で、文化遺産のデジタル化に関する委員会“Digiti©E Committee”を立ち上げたこと、またこの委員会のスキーマのもと、権利者不明の著作物“Orphan Works”を含む所蔵資料のデジタル化に関する方法について合意したことを発表しました。なお、FOBIDは図書館、博物館、文書館を代表する存在として参加しており、以下の合意は博物館、文書館にも当てはまります。

宣言文およびプレスリリースによると、合意内容は以下のようになっています。

・「所蔵資料であること」「対象コンテンツがオランダの文化遺産の一部をなすこと」「すでに商業的に入手不可能であること」「個々の著作権者と連絡が取りにくいこと」「教育、研究目的のために施設ネットワーク内で公に利用可能とすること」など12項目の条件を満たす場合、図書館等の所蔵資料のデジタル化、提供については、仮想的にすべての権利者から許諾を得ているものと見なす。この場合のデジタル化・提供について、図書館等は権利者に対し適正な費用を支払わなければならないが、その費用は、総額0ユーロとする。(→したがって支払う必要はない。)
・リモートアクセスやインターネットを用いて、施設外の利用者にも提供しようとする場合には、別途、合意が必要となる。この合意については、(オランダの)著作権者の団体(Lira、Pictorightなど)が一括して実施する。すなわち、図書館等は個々の著作権者とあらかじめ合意を取り付ける必要はない。ただし、デジタル化され施設外に提供されることに反対する権利者個人から申し立てがあった場合には、図書館等はその作品の公開をやめなければならない。(→Opt-Out方式)
・著作権者の団体はデジタル化事業を登録するセンターを立ち上げ、図書館等はそこにデジタル化プロジェクトの計画、デジタル化予定の作品のリストを提出する。これにより、図書館等と著作権者が連絡を取ることができるようになる。

Declaration by the Digiti©E Committee (Digitalisation of Cultural Heritage Collections)
29 January 2009
http://www.sitegenerator.bibliotheek.nl/fobid/img/docs/Declaration%20digitace%20committee.doc

PRESS RELEASE
Utrecht, 30 January 2009
Digitisation of heritage collections comes closer
Unique agreement between libraries and right holders
http://www.sitegenerator.bibliotheek.nl/fobid/img/docs/DigitiCE%20Persbericht%20ENGELS.doc

Instructions for registering digitisation projects
29 January 2009
http://www.sitegenerator.bibliotheek.nl/fobid/img/docs/Registration%20digitasation.doc

January 30th, 2009付けDigitalKoansの記事
http://digital-scholarship.org/digitalkoans/2009/01/30/dutch-cultural-institutions-and-rights-holders-reach-landmark-digitization-agreement/