E385 – デジタル時代における科学研究出版,出版産業の動向

カレントアウェアネス-E

No.67 2005.10.05

 

 E385

デジタル時代における科学研究出版,出版産業の動向

 

 経済協力開発機構(OECD)は,9月22日,デジタル環境下における科学研究出版(CA1543参照)の動向についてレポートを発表した。レポートは,2003年時点で学術雑誌の75%がオンラインで入手可能になっていること,ビッグ・ディール,オープンアクセス出版,オープンアクセス・リポジトリといった新しいビジネス・モデルが出現していることなど,科学研究出版の世界では急激な変革が進行中であると指摘している。そして,2004年に採択された宣言(E173参照)に基づき,各国政府は公的助成を受けた研究成果へのアクセスを高めていく必要があると勧告している。

 一方,欧州委員会は,9月20日,EU域内の出版産業の現状と課題をまとめたワーキングペーパーを発表し,デジタル時代に出版産業が競争力を高めるための方策について意見募集を始めた。例えば,新聞業界は現在1億8千万人の読者を抱えているが,デジタル環境における新しいメディアの登場などで若い読者を獲得できなくなっているという。こうした難局に立つ出版産業のこれからについて,どのような政策を打つべきか,EUは模索を始めている。

Ref:
http://dbs.cordis.lu/cgi-bin/srchidadb?CALLER=NHP_EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&RCN=EN_RCN_ID:24486
http://www.oecd.org/dataoecd/42/12/35393145.pdf
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/05/1164&format=HTML&aged=0&language=en&guiLanguage=en
http://europa.eu.int/information_society/media_taskforce/doc/prerelease.pdf
CA1543
E173