E352 – LCによるウェブ情報資源の新しい目録記述法

カレントアウェアネス-E

No.62 2005.07.20

 

 E352

LCによるウェブ情報資源の新しい目録記述法

 

 ウェブ情報資源にナビゲーションするのに最も効率的で効果的な方法はどのようなものだろうか? 6月の米国図書館協会(ALA)の年次大会で,米国議会図書館(LC)の取り組みが紹介された。

 LCの書誌アクセス部門は,リンク集用にウェブガイド,オンライン目録用にMARC/AACR目録レコード,ウェブアーカイブ用にMODS(CA1552参照)など様々な目録記述法を採用している。このような状況の中で,現在,さらにアクセスレベルのMARC/AACRレコードというものが検討されている。アクセスレベルMARC/AACRレコードとは,データ要素全て(フルレベル)を記述するのではなく,利用者の検索・発見プロセスに効果的な項目だけを記述する最小限の目録レコードのことである。

 2004年8月にコア・データセットとガイドライン草案をまとめ,2004年末から2005年初頭にかけて試行実験を行った。実験では,カタロガーにフルレベルとアクセスレベルのレコードを作成してもらい,所要時間等の測定や品質の評価を行った。その結果,アクセスレベル・レコードはフルレベルのレコードに比べてアクセス面で遜色はなく,またコスト面でも経済的であることが実証された。今後,改良を重ね,オンライン目録への投入を含む本格的な運用を目指すという。なお,アクセスレベル・レコードはコレクション単位に用い,個々のアイテムにはMODSを用いることも検討されている。

Ref:
http://www.loc.gov/catdir/access/accessrecord.html
http://www.loc.gov/catdir/access/report_final.pdf
CA1552