E141 – OCLCのDDC商標権訴訟とその波紋

カレントアウェアネス-E

No.25 2003.11.05

 

 E141

OCLCのDDC商標権訴訟とその波紋

 

 OCLCが図書館をコンセプトにしたホテルをデューイ十進分類法(DDC)の商標権侵害で訴えたニュースが,米国の図書館界で波紋を呼んでいる。訴えられているのはニューヨークのマンハッタンにあるライブラリーホテルで,同ホテルはDDCの分類番号を客室番号に利用し,また各客室はそのDDC番号に従ったインテリアにしている。9月10日に起こされたこの訴訟は図書館関連のメーリングリスト等で話題となり,米国の図書館員からはOCLCの真意を疑う声が挙がっている。図書館員の中には,OCLCを非難し同ホテルへ支援を申し出る者もいるという。

 OCLC側はこれらの声に対して,商標権者は現行法では権利を失わないために商標権を積極的に保護しなければならず,この訴訟はこれまでに600万ドル以上を投資してきたDDCに関して商標権を守るためのものであり,同ホテルの営業停止を望んだものではないと説明している。また,OCLCは同ホテルに対しDDCの使用許諾を得るよう申し入れていたが,ホテル側はそれを拒否したとも述べている。なお,DDCは9月に新版(DDC22)が発行されたばかりである。

Ref:
http://www.oclc.org/news/announcements/announcement40.htm
http://www.libraryhotel.com/
http://libraryjournal.reviewsnews.com/index.asp?layout=article&articleid=CA325514