アーカイブ - 2019年 3月 28日 - book

E2123 - 大学の戦略との一致度からみる大学図書館のサービスについて

本稿ではOCLCとIthaka S+Rが2018年10月に発表した報告書“University Futures, Library Futures: Aligning library strategies with institutional directions”について紹介する。報告書では,米国の高等教育機関のワーキングモデルを教育活動及び提供形態の点から定義し,主要な9つの図書館サービスの枠組みから機関の類型を比較し,図書館のサービス内容が大学の組織上の優先事項に対応しているという仮説を検証することを試みている。教育活動は,博士課程の「研究」,学士課程の「教養教育」,その他の「職業教育」について各機関が最も重心を置く活動の点から分類しており,提供形態としてキャンパスへの通学を前提とする授業と,オンラインコースの2つが挙げられている。OCLCは大学の3つの類型を検討し,Ithaka S+Rは図書館サービスについての調査を担当した。

E2121 - 米国議会図書館の新たな戦略計画

米国議会図書館(LC)は,2018年10月,2019年度から2023年度までを範囲とする新たな戦略計画「図書館体験を豊かにする」(Enriching the Library Experience;以下「新戦略計画」)を公表した。本稿ではその内容と特徴について概観してみたい。

E2122 - Scholars ARE Collectors:研究支援再考への提言(米国)

2018年11月,米・Ithaka S+Rは研究支援についてのイシューブリーフ“Scholars ARE Collectors: A Proposal for Re-thinking Support”(以下「報告書」)を公開した。報告書は,同団体がこれまで実施した研究支援サービスに関する調査(E1380,E2059参照)を踏まえ,研究者を,多様な研究データを収集する「コレクター」として捉え,その「収集活動」(研究フロー)全体を反映させた研究支援について,学術研究機関が中心となって組織レベルで再考することを促す内容となっている。

E2118 - 琉球大学附属図書館「迷子の本を探しています」実施報告

琉球大学附属図書館(以下「図書館」;沖縄県西原町)は,2019年1月7日から2月11日にかけて,館内イベント「迷子の本を探しています」を実施した。本稿では,当イベントの実施背景と実施内容,結果とその評価について報告する。

E2120 - 『リーガル・リサーチ』刊行15周年記念シンポジウム<報告>

2018年12月17日,成城大学(東京都世田谷区)で,ロー・ライブラリアン研究会主催『リーガル・リサーチ』刊行15周年記念シンポジウム(成城大学法学部現代法研究室共催,株式会社日本評論社・株式会社TKC後援)が開催された。『リーガル・リサーチ』は,2003年に日本評論社より刊行され,現在では第5版まで版を重ねる法情報の調べ方を網羅した定番ツールである。シンポジウムは,この刊行15周年という節目の年に,改めて『リーガル・リサーチ』の意義を問い直し,これからの法情報提供サービスのあり方やロー・ライブラリアンの育成について,ともに考えるために企画された。

E2119 - 「著作権延長後の世界で、我われは何をすべきか」<報告>

日本の著作権保護期間は著作者死後50年,団体名義の作品では公表後50年で1971年以降運用され,その中で,たとえば「青空文庫」は1万5,000点を超える主に明治・大正時代の著作物を電子化し,Amazon Kindleや図書館の電子書籍などで活用することができた。2006年に権利者団体から,これを死後70年に延長することが要望され,文化庁の「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」において,青空文庫,インターネットユーザー協会など多様な関係者との間で議論となったが,2008年第6回小委員会において,「保護と利用のバランスについて,調和の取れた結論が得られるよう,検討を続けることが適当」と,延長は見合わせることとなった。ところが,2015年環太平洋パートナーシップ(TPP)協定において死後70年への延長が合意されたため,これに合わせて日本では2016年に著作権法が改正され延長への路線が引かれた。2017年にトランプ大統領が米国のTPP離脱を決定したため,保護期間延長は棚上げとなったかと見えたが,2018年12月30日,米国抜きの新TPP,TPP11(E2060参照)の発効に伴い,前記改正が有効となり,正式に死後70年への延長が発効した。