アーカイブ - 2017年 12月 - book

12月 27日

CA1914 - 国立国会図書館によるベトナム国会図書館支援の取組 / 福林靖博

 ベトナム社会主義共和国は、1980年代のドイモイ政策以降、急速な経済成長を遂げてきた。それに伴い社会情勢が変化する中で、発展に見合った政 治や行政の体制整備が必要となり、1992年に憲法の大幅な改正が行われた。改正後の憲法の規定では、国民の代表機関である国会の権限が強化されており、 それに伴い国会議員の活動を補佐する国会事務局の能力向上が急務とされた(1)

 こうした背景のもとで、ベトナム政府からの日本政府に対する要請を受けて、2014年1月から独立行政法人国際協力機構(JICA)が「国会事務 局能力向上プロジェクト」を開始した。プロジェクトの支援対象はベトナム国会事務局であり、ベトナム国会図書館(NALV)はその一部門である(後述)。 国立国会図書館(NDL)は、衆議院法制局及び衆議院事務局とともに協力機関としてプロジェクトに参画することとなった。当初2017年1月までの3年の 予定であった本プロジェクトは、途中延長を経て、2017年9月まで約3年8か月実施された(プロジェクトフェーズ1)。また、2017年10月以降は フェーズ2としてプロジェクトを継続中である。

 本稿では、フェーズ1においてNDLが取り組んだNALVへの支援を中心に紹介する(2)

CA1913 - 図書館向けデジタル化資料送信サービスの利用促進の取り組み ―静岡大学附属図書館の事例― / 杉山智章, 中川恵理子

静岡大学附属図書館(以下、当館)では2015年10月1日から国立国会図書館(NDL)の図書館向けデジタル化資料送信サービス(以下、「図書館送信」)を導入し、閲覧および複写サービスを利用者に提供している。

 本稿では、当館における「図書館送信」の利用促進について、主に静岡大学附属図書館OPAC(1)(以下、OPAC)の利便性向上の取り組みを中心に述べたい。

CA1912 - 図書館向けデジタル化資料送信サービスの利用状況 -京都市右京中央図書館の事例- / 谷内のり子

 本稿では、京都市右京中央図書館における国立国会図書館(NDL)の図書館向けデジタル化資料送信サービス(以下、図書館送信)の実施状況について述べる。

 京都市右京中央図書館は、京都市の西南部に位置し、2008年6月に右京区総合庁舎の3階に右京図書館を拡大移転して開館した。図書館の専有面積は、京都市図書館20館の中で最大となる約3,000平方メートルであり、一日の平均来館者数は約2,200人、貸出冊数は約4,500冊、一か月当たりの新規登録者数は約410人と、京都市図書館の中ではいずれも最多である(1)。利用者は、右京区民だけでなく広く京都市全域から来館し、また「学生の街」と呼ばれる京都らしく、市内の大学等に通学している学生の利用者も多い。

CA1911 - 図書館向けデジタル化資料送信サービスの統計に見る開始から3年の状況 / 上綱秀治

国立国会図書館(NDL)の「図書館向けデジタル化資料送信サービス」(図書館送信)は、NDLが収集・保存しているデジタル資料のうち、絶版等で入手困 難な資料を全国の公共図書館、大学図書館等の参加館に送信するサービスである。2014年1月21日の図書館送信開始から3年以上が経過した。そこで、参 加や利用に関する統計に基づき、2016年12月時点の状況について報告する。関連する基本的な統計等がNDLのウェブサイト(1)や、毎年刊行される電子出版制作・流通協議会の「電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告」(2)に掲載されているのであわせて参照いただきたい。

CA1910 - ラテンアメリカのオープンアクセスとLa Referencia / 水野翔彦

 

 一般的に、オープンアクセス(OA)の推進には2つの手段があるといわれている。ひとつはOA誌の推進(ゴールドOA)、もうひとつはセルフアーカイブ(グリーンOA)である。

 ラテンアメリカについていえば、学術情報のOAが世界に広まり始めた1990年代、汎米保健機構の仮想保健図書館(1)、CLACSO(2)、SciELO(3)CA1566参照)やRedALyC(4)などのプラットフォーム上でゴールドOAは広がりを見せていた。DOAJ(Directory of Open Access Journals)(5)の登録情報からも、域内の各国が比較的早い時期からOAに取り組んでいることがわかり、ブラジル、メキシコ(6)を中心に2000年代後半にはかなり浸透していた(7)

CA1909 - オープンアクセスに関する中国の取組と科学技術雑誌の実態 / 李 穎, 田 瑞強

 2003年12月、当時の中国科学院(中国科学院:Chinese Academy of Sciences:CAS)院長の路甬祥氏は中国の科学者を代表して、オープンアクセス(OA)に関するベルリン宣言(E144参照)に署名した。また2004年5月に路氏と中国国家自然科学基金委員会(国家自然科学基金委员会:National Natural Science Foundation of China:NSFC)主任の陳宜瑜氏は、CASとNSFCを代表し、ベルリン宣言に署名した。

12月 21日

E1985 - NDL,図書館総合展で2016年度調査研究関連のフォーラムを開催

2017年11月9日,国立国会図書館(NDL)は,第19回図書館総合展において,フォーラム「利用者から学ぶ超高齢社会の図書館―平成28年度国立国会図書館調査研究より―」を開催した。当日は,157名の参加があった。

E1982 - 箕面市読書活動推進事業:箕面・世界子どもの本アカデミー賞

2017年11月3日,大阪府の箕面市立メイプルホールにて,2017年度「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」授賞式が開催された。「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」は,2010年から箕面市の読書活動推進イベントとして始まり,今年で8回目を迎える。

E1983 - 「デジタルアーカイブ」と「研究データ」の出会い<報告>

2017年11月6日,国立国会図書館(NDL)は,国文学研究資料館(国文研)と人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)の後援を受けて,東京本館で報告会「「デジタルアーカイブ」と「研究データ」の出会いシンポジウム~データの保存と活用へ,ライブラリアンとアーキビストの挑戦」を開催した。本報告会は,NDLが共同運営機関を務めるジャパンリンクセンター(JaLC)の研究データ利活用協議会(RDUF)平成29年度第1回研究会という位置付けでもあった。

E1984 - ボーンデジタル資料の法定納本政策や実務に関する調査

国際図書館連盟(IFLA),国際インターネット保存コンソーシアム(IIPC),米・ミズーリ大学ドナルド・W・レイノルズ・ジャーナリズム研究所(RJI)及び同大学図書館からなる研究グループが,2017年7月中旬から8月末にかけて,各国のボーンデジタル資料の納本政策や実務に関する調査を行なった。そして,独・ザクセン州立図書館兼ドレスデン工科大学図書館で開催された,第83回IFLA年次大会(E1974参照)のニュースメディア分科会のサテライトミーティングにおいて,調査実施にあたっての調査の最適化のための取組や,欧米を中心とした18か国19館が回答した段階での中間集計の結果を報告している。本稿では,当日の予稿からその内容を紹介する。

E1981 - 沖縄県立図書館のハワイでの沖縄系移民1世ルーツ調査支援

沖縄県立図書館(以後,当館)は,2017年9月2日から3日にかけて米国ハワイ州オアフ島で開催された第35回オキナワフェスティバル(以後,フェスティバル)において,ハワイ沖縄系図研究会(Okinawan Genealogical Society of Hawaii:OGSH)と連携し,移民1世ルーツ調査(以後,ルーツ調査)支援を実施した。ハワイの沖縄県系人など120人から2日間で170件の調査依頼を受けた。本稿では,実施に至るまでの経緯と現地の様子を紹介する。

12月 20日

12月 7日

E1980 - 日本のデジタル人文学の国際学会JADH2017<報告>

2017年9月11日から9月12日にかけて,同志社大学(京都市)にて,日本デジタル・ヒューマニティーズ学会(JADH)年次国際学術大会JADH2017が開催された。この大会は2011年に大阪大学にて開催された人文情報学推進協議会主催の大会を継承し,2012年からはJADHの大会として毎年英語にて開催されているものである。国際的に活躍する10の国・地域のデジタル人文学研究者からなるプログラム委員会と,開催校である同志社大学を中心とした開催実行委員会の下,運営を行った。例年は三日間の開催で初日にワークショップを行っていたが,今回は初めて,二日間のみでワークショップなしでの開催となった。本年は,コラボレーションに焦点をあてた“Creating Data through Collaboration”というテーマの下,基調講演では,3万タイトル,50億字を超える中国古典等の大規模クラウドソーシング翻刻サイトctext.orgのためのシステムの構成,そして,それがなぜ選択されたのか,ということを中心とする講演が,このサイトの主宰者兼開発者スタージョン(Donald Sturgeon)氏(米・ハーバード大学)によって行われた。さらに,マイクロタスク・クラウドソーシングを様々なコンテンツに適用するCrowd4Uプロジェクトによる企画セッションが開催され,国立国会図書館(NDL)におけるL-Crowdによる書誌情報の誤同定のチェックや国デコImage Wallでのデジタル翻刻などの話題が採り上げられた。

E1978 - ラウンドテーブル「図書館情報学研究と科研費」<報告>

2017年10月7日,慶應義塾大学を会場に,三田図書館・情報学会2017年度研究大会ラウンドテーブル「図書館情報学研究と科学研究費補助金」が開催された。今回のテーマである科学研究費補助金(以下,「科研費」という。)は,文部科学省と日本学術振興会の研究助成事業で,現在の日本の研究環境を考える上で無視できない競争的研究資金である。研究者の関心の高いテーマであるが,当日は図書館員の参加も目立った。

E1976 - 第59回北海道図書館大会<報告>

2017年9月7日と8日の2日間,北海道江別市の札幌学院大学を会場に,第59回北海道図書館大会を開催した。北海道図書館振興協議会,北海道地区大学図書館協議会,私立短期大学図書館協議会北海道地区協議会,北海道学校図書館協会,専門図書館協議会(北海道地区連絡会)の5団体からなる北海道図書館連絡会議及び北海道立図書館が主催した。今大会は,近年,図書館を取り巻く環境が大きく変化する中,図書館がその存在を維持し,高めていくためにはどのようにすればよいのか,未来の図書館のあり方について考えようとするもので,「その先の,図書館 ~図書館の新たな可能性を考える~」をテーマに,基調講演,各団体による6つの分科会,図書館の今日的な話題等を情報提供するトピック,協賛図書館団体・企業11社(団体)と大会参加者有志8団体による計19のブース展示を実施した。

E1975 - 尾鷲市立図書館の寿文庫活動

地域の風習である厄年の「まき銭」を,尾鷲市立図書館(三重県)の図書購入費として寄付してもらう「寿文庫活動」が2018年も1月5日から3月12日まで行われる。1966年,「まき銭の廃止や厄祝を簡素化し,その経費で市立図書館の図書購入支援をしよう」と尾鷲市に本店がある紀北信用金庫の元理事長・故土井周平氏が提唱し「寿文庫運営委員会」が発足したことに始まる活動である。

E1979 - 環太平洋研究図書館連合(PRRLA)2017年総会<報告>

2017年10月17日から20日まで,環太平洋研究図書館連合(Pacific Rim Research Libraries Alliance:PRRLA)の2017年総会が中国・浙江大学で開催された。12の国・地域の34の大学図書館から62人が出席し,日本からは植木俊哉東北大学附属図書館長と筆者の2人が参加した。

E1977 - ORCIDによる情報発信強化に関するシンポジウム<報告>

2017年9月8日,日本教育会館(東京都千代田区)にて「ORCID 我が国の学術情報、研究者 - 情報発信強化を目指して」と題して,特定非営利活動法人UniBio Press主催による公開シンポジウムが行われた。UniBio Pressは国立情報学研究所(NII)の支援のもと国際的な出版活動を行う法人で,シンポジウムには,同じくNIIが支援するオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)のメンバー機関の職員のほか,各学会,大学,研究機関の職員などおよそ50人が参加した。シンポジウムでは,宮入暢子氏(ORCID Inc.),谷藤幹子氏(国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)),安達淳氏(NII)によるそれぞれの講演とパネルディスカッションが行われた。

12月 6日