アーカイブ - 2017年 5月

5月 29日

オーストラリア図書館協会、図書館情報学の専門職の将来に関するレポート公表から3年の取組成果を示すスコアカードを公開

2017年5月17日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、図書館情報学の専門職の将来について検討するプロジェクト“ALIA Future of the Profession project”において2014年に公表した報告書での指摘から3年間を経て、何を取り組んできたかを示すスコアカードを公開したと発表しています。

公共・学校・専門・大学等(第3期教育)・資料収集機関・図書館情報学研究者、及び、この検討過程で得た知見の概要に関する7つから構成されます。

Update - Future of the Profession(ALIA,2017/5/17)
https://www.alia.org.au/news/15506/update-future-profession

米・イェール大学、同大学で上演された演劇の歴史に関するデータベース構築のためのクラウドソースシングプロジェクトを実施中

2017年5月24日付の“Yale News”が、米・イェール大学が、同大学で上演された演劇の歴史に関するデータベースを構築するために実施しているクラウドソーシングプロジェクト“Ensemble @ Yale”を紹介しています。

ニューヨーク公共図書館(NYPL)が、同館のパフォーミング・アーツコレクションに対して行ったクラウドソーシングプロジェクトを参考に構築されており、参加者は、同大学の“Digital Humanities Lab”が開発したソフト(SNSのIDでログイン可能)を用いて、デジタル化された同大学のロバート B. ハイス・ファミリー・アーツ図書館所蔵の演劇プログラム1万2千ページ分を確認し、タイトル、上演日、監督、出演者、裏方の名前をテキスト化します。

英国図書館、古浄瑠璃の孤本「越後國柏崎弘知法印御博記」をデジタル化して公開:同館での上演にあわせ

英国図書館(BL)が、2017年5月29日付のアジア・アフリカ研究部のブログ“Asian and African studies blog”で、浄瑠璃本「越後國柏崎弘知法印御博記」をデジタル化して公開したと発表しています。

近松門左衛門に先立つ時代の「古浄瑠璃」に分類される作品で、日本では長く失われていたものですが、同館において、6月2日と3日に、越後角太夫氏と西橋八郎兵衛氏によって人形浄瑠璃(文楽)として再演されるのにあわせて、公開されたものです。

同書は、オランダ商館付の医師として日本に滞在したケンペルが購入し、ケンペルの死後、大英博物館の所蔵となったものですが、1770年に、博物館において、他の中国や日本の書籍とともに調査された際に、中国史の書籍と誤って分類され、大英博物館図書室に所蔵されてきました(1973年にBLに移管)。

1962年に、早稲田大学の鳥越文蔵教授が同作品の孤本と認定し、日本では、1966年に刊行(影印・翻刻)、復活上演(2009年)されています。

文化庁、「文化情報プラットフォーム」の運用開始

2017年5月26日、文化庁が、「文化情報プラットフォーム」の運用開始を発表しています。

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした文化芸術立国の実現を図るため、全国の文化プログラム等の情報を一元的に集約・登録し、国内外に情報発信するためのプラットフォームです。

登録された情報は、文化庁が運営する文化情報ポータルサイト「Culture Nippon」から多言語で国内外に情報発信するとともに、今後、オープンデータとして民間事業者等に提供し、登録された文化情報を活かした商品・サービスの創出を促進し、地域経済の活性化を図ることが計画されています。

「文化情報プラットフォーム」の運用開始について~全国の文化プログラム等の情報を国内外へ発信~(文化庁,2017/5/26)
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/2017052601.html

5月 26日

2016年カレントアウェアネス・ポータル利用者アンケートの結果を公開しました

2016年6月20日から9月23日にかけて実施した、カレントアウェアネス・ポータル(CAポータル)の利用者アンケートには、300名の方からご回答をいただきました。多くの方にご協力をいただき、お礼を申し上げます。集計結果の概要を、下記のとおり、レポートとしてまとめました。

2016年 カレントアウェアネス・ポータル利用者アンケート 結果報告
http://current.ndl.go.jp/files/enquete/2016report.pdf

関連:
平成28年度遠隔利用者アンケート結果(国立国会図書館)
http://ndl.go.jp/jp/aboutus/enquete/enquete2016_01.html

新冠町レ・コード館(北海道)、レコード収集100万枚を達成

北海道の新冠町レ・コード館が、2017年5月に、当初の目標であったレコード収集100万枚を達成したと発表しています。

新冠町では、アナログレコードを「20世紀の音楽文化を記録した歴史遺産」と位置づけて、これを後世に継承するため、1991年度から「レコード&音楽によるまちづくり」を推進しており、1997年6月には「レ・コード館」を建設し、レコード文化の拠点施設として、レコード100万枚をスローガンに収集を進めていました。

100万枚目のレコードは坂本九氏の「幸せなら手をたたこう」でした。

6月8日の開館記念日に、記念セレモニーが行われます。

Facebook(新冠町レ・コード館,2017/5/26)
https://www.facebook.com/niikappurecord/photos/a.1104242316318839.1073741828.1100079726735098/1327708417305560/

3Dプリンターの利用料を徴取する場合の適切な料金体系は?(記事紹介)

2017年5月22日付の、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の、革新的プロジェクト、最新技術、コンピュータプログラミング等といった分野に関するグループによるブログ“ACRL TechConnect Blog”に、米・ボルチモア大学図書館のキム(Bohyun Kim)氏が、同館で3Dプリンターによるサービスを提供するにあたり、料金体系をどのように決定したかについて概説する記事を投稿しています。

キム氏は、図書館ではコピー料金は徴取しているのであるから、運用コストを回収するために3Dプリンターの利用料を徴収することをタブー視する必要はなく、新しい革新的なサービスを実施するにあたっては、有益であれば有料でも実施するべきと主張します。

ただ、そうではあっても、持続可能なサービスとするためには、利用者に説明可能で、図書館員が容易に運用できる料金体系とする必要があると指摘し、記事では、同館が、重量・大きさ・時間による料金体系の長所・短所を検討したうえで、利用時間を基本とした料金体系とした経緯を説明しています。

同館の利用者は課金には肯定的で、安価なサービスとの声が多いとのことです。

参考のため、米国の10の図書館の3Dプリンター利用料の料金体系の、この3年間の変化が列記されています。

米・ハーバード大学ライシャワー日本研究所、インフォコム株式会社とデジタルアーカイブに関する共同研究についての覚書を締結

米・ハーバード大学ライシャワー日本研究所が、インフォコム株式会社とデジタルアーカイブに関する共同研究に関する覚書を締結しました。

2017年5月25日付のインフォコム株式会社からの発表によると、この連携は、デジタルアーカイブに関する研究開発、技術協力、人材交流、地域・社会貢献等の分野で相互に協力し、科学技術振興及び産業と社会の発展に寄与することを目的としています。

ハーバード大学ライシャワー日本研究所の「日本災害DIGITALアーカイブ」と震災後に公開された地方自治体等による震災アーカイブとの連携技術や、アーカイブの利活用を図る技術に関する研究が実施されるほか、東北大学災害科学国際研究所「みちのく震録伝」との連携推進などが取り組まれるとされています。

“Mendeley Data”、Googleのデータセット用のマークアップ標準を採用

2017年5月23日付けのMendeleyのブログが、研究データリポジトリ“Mendeley Data”が、Googleのデータセットのためのマークアップ標準(markup standard)を採用したと発表しています。

Googleの検索エンジンが認識する構造化された方法で“Mendeley Data”搭載のデータセットについて記述することで、その発見可能性を高め、検索結果から簡単にデータセットを利用できるようにすることを目的としています。

Mendeley Data adopts Google Science Datasets standards(
Mendeley Blog,2017/5/23)
https://blog.mendeley.com/2017/05/23/mendeley-data-adopts-google-science-datasets-standards/

米国議会図書館、米・サンボーン社の火災保険地図2万5千点をオンラインで公開

2017年5月25日、米国議会図書館(LC)が、1900年までに作成された、米・サンボーン社の火災保険地図2万5千点をオンラインで公開したと発表しています。

現在は、アリゾナ州、アーカンソー州、コロラド州、デラウェア州、アイオワ州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシガン州、ネブラスカ州、ネバダ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、バーモント州、ウィスコンシン州、ワイオミング州のものが公開されており、アラスカ州については、1960年代初頭のものまで含まれます。

今後毎月追加され、2020年には、すべての州の、1880年代後半から1960年代初頭までの総計50万枚の火災保険地図が公開される予定です。

Sanborn Fire Insurance Maps Now Online(LC,2017/5/25)
https://www.loc.gov/item/prn-17-074/

5月 25日

HathiTrustの参加館、印刷資料1,600万冊の共同管理を提案

HathiTrustに参加する50の図書館が、HathiTrustのプログラムのもと、総計1,600万冊以上の印刷資料を、25年間共同管理(Shared Print)することを内容とした提案を行なっていると、2017年5月24日付のHathiTrust Updateが報じています。

これは、HathiTrustのデジタルライブラリに搭載されている450万タイトル分にあたり、全体の60%に相当します。

HathiTrustでは、双方の義務を明確にするため、図書館と締結する覚書(MOU)や指針を策定しており、2017年6月の理事会で覚書が承認され、早ければ、2017年秋にはMOUを締結し、共同管理が実行される計画となっています。

米・ペンシルベニア州立大学、短編小説の無料プリンターを図書館に設置

2017年5月18日、米・ペンシルベニア州立大学は、同大学図書館とフランスの出版社Short Editionが提携し、同大学の図書館に4台、同大学が立地するステートカレッジ内の公共図書館に1台、短編小説が無料で印刷される機械(short story dispensers)を設置したと発表しています。

同大学の教員・職員・学生が投稿した短編小説を、1分・3分・5分という話の長さにあわせて、レシートと同じような紙にプリントアウトすることができるようになっており、専用のウェブサイトに作品への感想を書き込むことを通じて、キャンパス内のコミュニケーションを促進させることを目的としています。

Short Edition社が大学と提携するのは初めてで、南北アメリカ全体でも、設置は2例目とのことです。

E1916 - 情報の分散記述と共有をうながすWeb Annotation

ウェブ上での注釈(アノテーション)の表現方法を標準化するWeb Annotation(以下WA)が2017年2月にWorld Wide Web Consortium(W3C)の勧告となった。仕様は,注釈の表現方法であるデータモデル(WA Data Model),この注釈モデルをRDFで記述するための語彙(WA Vocabulary),および注釈の取得や管理のためのアプリケーションのやり取りを定めるプロトコル(WA Protocol)の3つから成る。

E1912 - ぬいぐるみお泊まり会:読書活動の促進と効果の持続性

ぬいぐるみお泊まり会は米国のペンシルバニア州の公共図書館で始まったと言われている。2007年1月の米国の新聞記事でぬいぐるみお泊まり会が紹介されており,「昨年の夏に行われていた公共図書館のプログラムからアイデアを得た」と記載されていることから,2006年頃にはすでに同様のプログラムがあったと思われる。ぬいぐるみお泊まり会では,子どもが図書館にぬいぐるみを預けて帰った後,ぬいぐるみたちが絵本を読んでいたり,他のぬいぐるみたちと一緒に遊んだりしている場面の撮影が行われる。そして,翌日以降,ぬいぐるみを迎えに来た子どもに写真と絵本が手渡され,この絵本はぬいぐるみが読んでいたと伝えられる。このような体験は子どもの読書活動を促進させるのではないかと期待されており,日本各地の図書館でもぬいぐるみお泊まり会が行われるようになった。しかし,ぬいぐるみお泊まり会が子どもたちの読書活動の向上に貢献しているかどうかは検証されておらず,効果は明らかになっていなかった。そこで,筆者らの研究グループでは,ぬいぐるみお泊まり会が子どもの読書活動に与える効果について検証を行った。

E1913 - 「阪急文化アーカイブズ」の公開について

池田文庫・逸翁美術館・小林一三記念館を運営する公益財団法人阪急文化財団は,2017年4月1日,収蔵品の一部を検索できる阪急文化アーカイブズ(以下,アーカイブズ)を公開した。アーカイブズは主に,池田文庫が所蔵する(1)阪急・宝塚ポスター,(2)浮世絵・番付,(3)民俗芸能資料の3カテゴリで構成され,それぞれ約1万5,000点,3万点,3,000点の資料が収録されている。加えて,逸翁美術館所蔵の美術品など,これらに属さない資料を閲覧できる(4)特集欄も設けられている。

E1915 - JPCOAR「オープンアクセス方針策定ガイド」の公開

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR;E1830参照)は,2017年2月28日,「オープンアクセス方針策定ガイド」(以下,OA方針策定ガイド)及び「オープンアクセス方針リンク集」(以下,OA方針リンク集)を作成し,JPCOARのウェブサイトで公開した。本稿では,作成の背景・経緯や概要,今後の展望について紹介する。

E1914 - 東京外国語大学オープンアクセス宣言・方針の策定経緯

2015年4月の京都大学でのオープンアクセス(以下,OA)方針の採択(E1686参照)を皮切りに,2017年4月5日現在,オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)によると国内では15機関がOA方針を公表している。

E1917 - 超高齢社会と図書館:国立国会図書館の図書館調査研究

国立国会図書館(NDL)では,2002年度から,図書館協力事業の一環として,図書館及び図書館情報学に関する調査研究を実施している。これは,調査研究の成果を広く図書館界で共有することにより,公共図書館・大学図書館等の各種図書館との協力関係の基盤整備や,各種図書館の業務改善に資することを目的としている。

『カレントアウェアネス-E』325号を発行

国文学研究資料館と茨城大学地球変動適応科学研究機関、 歴史資料を活用した防災・気候変動の研究に関する連携協定を締結

2017年5月24日、国文学研究資料館と茨城大学地球変動適応科学研究機関(ICAS)が、歴史資料を活用した防災・気候変動の研究に関する連携協定を締結したと発表しています。

両機関は、関東・東北豪雨で被災した歴史史料の修復作業をきっかけに交流を開始し、その後の協議を通じて、「歴史資料を活用した防災・気候変動適応に向けた新たな研究分野の創成」というテーマの下、共同研究を進めることで合意したとのことです。

今後、大規模な自然災害や気候変動に対して、古典籍・古記録・古文書等から歴史的な災害対応、適応の状況を明らかにし、将来の防災・気候変動適応に向けた文理融合型の新たな研究分野の創成をめざすとともに、そのためのネットワーク形成と人材育成を推進するとされています。

2017年5月31日には、茨城大学水戸キャンパスで、調印式と国文学研究資料館の西村慎太郎准教授及び茨城大学理学部の小荒井衛教授による研究発表が予定されています。

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