アーカイブ - 2017年 12月 19日

SCOAP3、Forum 2017の資料と録画映像を公開 論文ダウンロード数に与えた影響や米国物理学会の参加について解説

高エネルギー物理学分野のオープンアクセス(OA)プロジェクトSCOAP3が、2017年12月7日に開催したイベント”SCOAP3 Forum 2017”の資料とWebinarの録画映像を公開しました。

今回のフォーラムでは過去4年間のSCOAP3の活動のまとめに加え、SCOAP3が雑誌論文のダウンロード数に与えた影響についての解説がありました。SCOAP3が対象とする論文の大半はプレプリントサーバarXivで公開されており、SCOPA3がなかった当時は雑誌に掲載された後もarXiv版がダウンロードされ、雑誌掲載版へのアクセスはわずかでしたが、SCOAP3開始後はarXiv版と同じかそれ以上に雑誌掲載版もアクセスされているとのことです。

また、フォーラム後半では2018年からSCOAP3に再参加する米国物理学会(APS)に関しての説明がなされています。

DOAJ、図書館・図書館コンソーシアムからDOAJへの支援金額の国別ランキングを発表

2017年12月13日、オープンアクセス(OA)雑誌のディレクトリDOAJが、ブログで図書館・図書館コンソーシアムからDOAJに対して寄せられた寄付金額について、国別のランキングと金額を公開しました。

2017年には28カ国の図書館等から寄付が寄せられており、米国が約43,000ポンドで最多、次いでオーストリアが約26,000ポンドで2位、英国が約19,000ポンドで3位と続いています。

日本からの寄付金額はランキングに書かれておらず、なかったようです。

米ニューメディア・コンソーシアム破産手続きへ 『ホライズン・レポート』等を刊行

図書館等に関する技術動向を解説する年刊レポート『ホライズン・レポート』の刊行等で知られる米ニューメディア・コンソーシアム(NMC)が破産手続きに入ったことが、LJ infoDOCKET等で報じられています。

LJ infoDOCKETに届いたNMCのメールによれば、過去の管理者やCFO(Chief Financial Officer)による運用に問題があり、同団体は既に財政的に破綻していることがわかったとのことです。NMCは速やかにすべての活動を終了し、破産手続きに入るとされています。

LIS Newsが選ぶ2017年の図書館・図書館情報学関連の10大ニュース(米国)

2017年12月15日、図書館や図書館情報学に関するニュースを掲載している米国のブログLIS Newsが、同ブログが選ぶ2017年の10大ニュースを発表しています。

1.ヘイトスピーチと言論の自由の境界線についての図書館員の議論

2.麻薬による死亡の撲滅の最前線に立つ公共図書館

3.“Little Free Library”への批判

4.Springer Nature社、ケンブリッジ大学出版局(CUP)のコンテンツへの中国からのアクセス制限

5.米・ジョージア州立大学の電子リザーブ訴訟が継続中

6.「ネットの中立性」の終わり

7.マイロ・ヤノプルス(Milo Yiannopoulos)氏の著書の出版取りやめ

8.トランプ大統領に対する米国図書館協会(ALA)の声明

9.Elsevier社を巡る問題

10.フェイクニュースと戦う図書館員

CLOCKSS、SAGE社が刊行していた21の雑誌のオープンアクセス提供を開始

2017年12月18日、電子ジャーナルのアーカイブプロジェクトCLOCKSSは、SAGE社が刊行していた21の雑誌について、オープンアクセスでの公開を開始したと発表しました。

21誌はいずれも医学分野の雑誌で、2016年にSAGE社が医学・生物学分野のオープンアクセス(OA)出版社Libertas Academicaを買収した後、休刊としたものです。21誌の掲載論文はCLOKCSSのアーカイブから公開され、クリエイティブ・コモンズライセンス下で利用できるようになります。

The CLOCKSS Archive announces the trigger of twenty-one Sage Publishing journals for open access(CLOCKSS、2017/12/18付け)
https://clockss.org/clockss/News#1218

デジタル情報保存に関わる10団体がデジタル保存に関する共同声明の草案を公開 2018年3月1日までコメント受け付け

2017年12月11日、デジタル保存ネットワーク(DPN)、CLOCKSS、米・ネットワーク情報連合(CNI)などデジタル情報の保存に関わり活動する10の団体が共同で、デジタル保存に関する共同声明の草案”Digital Preservation Declaration of Shared Values”を公開しました。

この声明はデジタル情報の保存に関わる団体がどのようなことに重きを置いて活動していくかを明確化したもので、「協働」、「手ごろさ」、「可用性」、「包括性」、「多様性」、「ポータビリティ/相互運用性」、「透明性/情報共有」、「説明責任」、「運用の継続」、「アドヴォカシー」、「エンパワーメント」の10項目が”core value”として挙げられています。

声明草案の本文はGoogleドキュメントで公開されており、2018年3月1日までコメント等が受け付けられています。

ORCID Registryのアラビア語インターフェイスが公開

2017年12月18日、ORCID Inc.が、ORCID Registryのアラビア語インターフェイスを公開したと発表しています。

12言語目の対応言語となりますが、アラビア語はORCID Registry利用者の優先的に利用される言語の上位20位以内に入っており、また、複数の会員機関の公用語にもなっていることから、アラビア語を用いる研究者のORCIDへの認識を高めることに繋がるだろうことや、アラブ人が持つ複数の型式の名前をORCID iDでリンクさせることで、アラブ人の著者の学術成果の発見可能性を高めるだろうことが指摘されています。

その他、ORCIDのアウトリーチ活動のための資料もアラビア語に翻訳されています。

ORCID Registry interface now available in Arabic(ORCID Inc.,2017/12/18)
https://orcid.org/blog/2017/12/18/orcid-now-in-arabic

【イベント】特別講義「くずし字学習支援アプリKuLAの挑戦」(2/20・京都)

2018年2月20日、国立国会図書館は、司書と研究者のための日本関係資料研修の一科目として行う特別講義「くずし字学習支援アプリKuLAの挑戦」を、一般の方々にも公開します。

くずし字学習支援アプリ「KuLA」の機能、運用や開発の経緯に加えて、海外での日本研究における活用例や、さらなる可能性などについて、開発チーム代表の飯倉洋一氏(大阪大学大学院文学研究科教授)にお話しいただきます。

参加費は無料です。募集人数は50名で、事前の申込が必要です。

新着情報(国立国会図書館)
http://www.ndl.go.jp/jp/news/index.html
※「2017年12月19日」に「司書と研究者のための日本関係資料研修 特別講義「くずし字学習支援アプリKuLAの挑戦」を一般公開します (2018年2月20日(火))」とあります。

スイス科学財団、2018年4月から単行書のオープンアクセス化費用BPCも助成の対象にすることを発表 10月からは図書の一部の章に範囲を拡大

2017年12月13日、スイス科学財団(SNSF)は同機関の助成を受けた研究の成果に関するオープンアクセス(OA)方針の一部を改訂し、新たに単行書のオープンアクセス化にかかる費用BPC(Book Processing Charge)も費用支払いの対象とすることを発表しました。

SNSFのOA方針では雑誌論文の処理加工料(APC)は従来から費用支払いの対象となっていました。2018年4月1日からは単行書のBPCを、さらに2018年10月1日からは一部の章のOA化費用BCPC(Book Chapter Processing Charge)も費用支払いの対象に加えるとのことです。一方で、図書をセルフアーカイブ(Green road)で公開する場合、従来は24カ月としていたエンバーゴ期間を12カ月に短縮するとされています。

なお、OA方針の対象となる成果に例外は設けられていませんが、図書については、図書の中で使用している図版の使用料が非常に高額である場合は例外を認めるとされています。

フランスの学術出版社EDP Sciences、同国のナショナルコンソーシアムとオープンアクセス契約を締結

2017年12月12日、フランスの学術出版社EDP Sciencesが、同国の250以上の大学・研究機関等が加盟するナショナルコンソーシアムCouperin.orgと、5年間のオープンアクセス(OA)契約を締結したことを発表しました。

このOA契約により、Couperin.org加盟機関に所属する研究者らは所属機関における購読の有無等に関わらず、EDP Sciencesの出版する雑誌にOA、かつCC-BYライセンスで論文を発表することができるようになります。また、EDP Sciencesの発行するすべての雑誌掲載論文にアクセスできるようにもなるとのことです。

【イベント】日仏図書館情報学会講演会「フランス国立図書館・国立文書館建築の伝統と革新からみる資料保存」(1/20・東京)

2018年1月20日、日仏会館において、日仏図書館情報学会主催の講演会「フランス国立図書館・国立文書館建築の伝統と革新からみる資料保存」が開催されます。

講演内容は、史資料の管理・保存のため建物の増築・改修を繰り返してきたフランスの国立図書館・国立文書館の、建物の側面及び変化する資料保管条件・国際規格の観点から、史資料の保存と活用の過去・現在・未来について語るもので、講師は吉川也志保氏(一橋大学言語社会研究科特別研究員)が務めます。

参加費は無料ですが、定員は50人(先着順)で、事前の申し込みが必要です。

チラシ
http://sfjbd.sakura.ne.jp/03_main/sub/pdf/Kikkawa20180120.pdf

※講師の所属を修正しました(2018/2/13)

名取市図書館(宮城県)、地域の古い写真を募集中:児童の地域学習や高齢者の認知症予防に活用

2017年12月19日付けの河北新報が、宮城県の名取市図書館が、地域の古い写真の提供の呼びかけていることと、デジタル化作業等の取り組みを紹介しています。

同記事によると、提供を受けた古い写真のデジタル化と撮影場所の特定作業が進行中で、提供を受けた写真は、2018年12月開館予定の新図書館で展示されるほか、一部は同館ウェブサイトで公開される予定です。

また、特定された撮影場所付近の商店等にQRコード付きのステッカーを貼付して、デジタル化した古い写真を見ることができるようにする計画も進行中で、ステッカーの貼付先も募集中とのことです。

この取組は児童の地域学習や高齢者の認知症予防が実施目的とされています。

名取の古い写真ありませんか 図書館が提供呼び掛け、震災前の風景デジタル化し保存(河北新報,2017/12/19)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201712/20171219_11011.html