アーカイブ - 2017年 11月

11月 21日

約400回引用されているのに実は存在しない幻の論文”The art of writing a scientific article” 正体はElsevierの執筆ガイドラインのコピー(記事紹介)

2017年11月14日付けのRetraction Watch記事で、英国・ミドルセックス大学のAnne-Wil Harzing教授がブログで取り上げた「幻の論文への引用」が紹介されています。

Harzing教授はオランダ・ライデン大学のPieter Kroonenberg教授から「幻の論文への引用」の話を聞き、実態を調査しました。Kroonenberg教授が発見した「幻の論文」とは、”Journal of Science Communications”という雑誌に掲載された、”The art of writing a scientific article”という論文です。この論文は多くの他の論文から引用されており、被引用数の合計は約400回にものぼりましたが、Kroonenberg教授が調べたところ、そんな論文はどうも実在せず、それどころか”Journal of Science Communications”という雑誌自体、存在しなかったということです。

愛知県図書館において雑誌の切り取り被害 日弁連機関誌の懲戒処分者氏名等を記載したページばかり30冊

2017年11月17日、愛知県は公式ウェブサイトにおいて、愛知県図書館において雑誌の切り取り被害が発生し、警察に被害届を出したことを発表しました。

切り取り被害が判明したのは日本弁護士連合会(日弁連)が発行する月刊の機関誌、「自由と正義」です。平成26年2月号から平成29年3月号にかけ、30冊・計136ページにわたって切り取られていました。切り取られ箇所はいずれも、懲戒処分を受けた弁護士の氏名や懲戒内容、理由を記載した「公告」のページであったとのことです。利用者からの指摘により、被害が判明しました。

愛知県図書館では現在、被害拡大を防ぐため、同誌を閉架書庫に移動しているとのことです。

愛知県図書館における雑誌の切り取り被害について(愛知県、2017/11/17付け)
http://www.pref.aichi.jp/soshiki/bunka/aichi-tosyo20171117.html

文部科学省、第9期研究費部会(第4回)の配布資料を公開 日本のオープンアクセス誌掲載論文数は増加、うち多くは科研費が関わる

文部科学省が、2017年10月31日に開催された、科学技術・学術審議会学術分科会 第9期研究費部会(第4回)の配布資料を公開しています。

公開された資料のうち、科学技術・学術政策研究所の科学技術・学術基盤調査研究室による報告「科学研究費補助金事業データベース(KAKEN)からみる研究活動の状況」の中で、科学研究費補助金(科研費)が関わる論文の推移等が扱われています。同報告によれば、日本の論文の多くに科研費が関与しており、2011~2013年の3年平均で論文全体の50%以上、被引用数トップ10%論文の60%以上に科研費が関わっていたとのことです。ただし、科研費が関与している論文の伸び率は近年、減少しています。

また、近年ではオープンアクセス(OA)雑誌に発表される論文が日本においても急増しており、2013年には10,000本を超えていました。そのうち過半数に、科研費が関与していたとのことです。

第9期研究費部会(第4回)ではそのほかに自然科学研究機構の小泉周特任教授による、大学の研究力評価にh-indexの考えを導入する案に関する発表も行われており、資料が公開されています。

【イベント】学校図書館シンポジウム『学校図書館員の将来像:求められるコンピテンシー』(12/3・東京)

2017年12月3日、青山学院大学総研ビルにおいて、学校図書館シンポジウム『学校図書館員の将来像:求められるコンピテンシー』が開催されます。主催者は科研費プロジェクト「学校図書館職員の技能要件と資格教育のギャップに関する研究」と「デジタル社会における司書教諭・学校司書の研修制度に関する総合的研究」で、青山学院大学教育人間科学部附置研究所と筑波大学知的コミュニティ基盤研究センターが共催しています。

当日はウェイン州立大学図書館情報学部のアンゲレスク教授による基調講演「米国の図書館情報学プログラムのアクレディテーションと求められるコンピテンシー:学校図書館員の養成プログラムを中心に(仮)」のほか、日本の3名の研究者による講演、「学校図書館の将来像と求められるコンピテンシー」に関するパネルディスカッションが開催されるとのことです。

学校図書館シンポジウム『学校図書館員の将来像:求められるコンピテンシー』開催(2017.12.03)(筑波大学知的コミュニティ基盤研究センター)
http://www.kc.tsukuba.ac.jp/lecture/symposium/1084.html

ミニストップが全店で成人誌の取り扱いを中止 千葉市からの働きかけをきっかけに

コンビニエンスストア「ミニストップ」を運営するミニストップ株式会社は2017年11月21日、国内のミニストップ全店で成人誌の取り扱いを中止するとしたプレスリリースを発表しました。

ここでいう成人誌とは、「各都道府県の指定図書類及び出版倫理協議会の表示図書類」と、「各都道府県青少年保護育成条例で定められた未成年者(18歳未満者)への販売・閲覧等の禁止に該当する雑誌及びそれらに類似する雑誌類」とされています。ミニストップ株式会社は、取り扱い中止のきっかけは、かねてから成人誌の陳列対策に取り組んでいた千葉市による働きかけであるとしています。

2017年12月1日より、まず千葉市内のミニストップ店舗で成人誌の取り扱いが中止され、2018年1月1日からは全国のミニストップに取り扱い中止の範囲が拡大されます。

ミニストップ千葉市店舗および全国における成人誌取り扱い中止について
https://www.ministop.co.jp/corporate/release/assets/pdf/20171121_10.pdf

クリスマスの買い物はウェールズ国立図書館へ

ウェールズ国立図書館が、2017年12月6日、クリスマスイベントを開催します。

館内のカフェ“Caffi Pen Dinas”では、伝統的なクリスマスランチ(8ポンド、12ポンド)や、お茶菓子(午後5時半から午後6時半まで)が提供されるほか、作家による作品紹介やサイン会、ワインの試飲会やクリスマスのワインの選び方の相談会などが行われます。

ライブラリーショップでは贈り物が用意されるほか、地域のアーティストや職人の売店も並び、地元の男性服・女性服のショップも出店します。

その他、地元の歌手によるライブや、子ども向けには午後5時から午後6時までサンタ小屋(Santa's Grotto)が用意され、クリスマス用の装飾をすることができます。

宮崎県立図書館が「私のすすめるこの一冊~高校生の声~」入選者を発表 その内4名はトークセッションに参加

2017年11月20日、宮崎県立図書館が「私のすすめるこの一冊~高校生の声~」の入選者を発表しました。 

「私のすすめるこの一冊~高校生の声~」は、高校生が応募したおすすめの図書の推薦文(400字以内)を審査するもので、全応募者数565名(25校)の中から10名の入選者が発表されました。

この入選者の内、4名は、12月3日に開催されるトークセッションにおいて、おすすめの本について発表した後、歌人である伊藤一彦名誉館長とのトークセッションに参加します。

トークセッションは、誰でも参加可能です。

「私のすすめるこの一冊~高校生の声~」の入選者について(宮崎県立図書館,2017/11/20)
http://www2.lib.pref.miyazaki.lg.jp/index.php?key=bbsi0n8cc-287#_287

Springer Nature社、独・PaperHive社とデジタル教科書のアノテーションのパイロット事業を試行

2017年11月17日、Springer Nature社は、独・PaperHive社と共同で、アノテーション等の機能を備えた共同研究プラットフォームであるPaperHiveを用いた1年間のパイロット事業を開始しました。

同事業は、教科書の読解の支援を通じた学習成果の向上を目的として実施されます。同プラットフォームでは、電子書籍やデジタル教科書上でグループでの対話や共有機能を使う事ができます。同事業では、学生と教員がプラットフォーム上で議論や質疑応答を行い、テキストに関する練習問題を解き、選ばれた図書の余白に意見や考えを書きこみ共有します。

今回の事業は、ドイツ語圏を対象にSpringer社およびSpringer Spektrum社の生物医学や数学、物理学、化学といった分野の教科書を用いて実施されます。

国立情報学研究所(NII)、CiNiiのサービスに関するアンケートを実施中(2017年度)

国立情報学研究所(NII)が、CiNiiのサービスに関するアンケートを実施しています。実施期間は2017年11月13日から12月22日までです。

CiNiiのサービスに関するアンケートを実施中です(期間:2017年11月13日(月)から12月22日(金)まで)(NII,2017/11/13)
https://support.nii.ac.jp/ja/news/cinii/20171113

CiNii Articles 利用者アンケート2017
https://jp.surveymonkey.com/r/cia-enquete-2017

CiNii Books 利用者アンケート 2017
https://jp.surveymonkey.com/r/cib-enquete-2017

スコットランド国立図書館、スコットランド最古の映画館からの文書類を受贈

2017年11月14日、スコットランド国立図書館(NLS)は、同地の映画館Campbeltown Pictre Houseから文書類の寄贈を受けたことを発表しています。

Campbeltown Pictre Houseは1913年に設立されたスコットランドで最も古い映画館で、現在改修工事が行なわれていますが、今でも映画館として利用されています。

文書には、開館を伝える新聞記事の切り抜き、映画館の設計図、広告、無声映画に用いられていたピアノの売却に関する領収書、最初の40人の資金提供者の拠出額を記載した台帳、財務情報等が含まれます。

寄贈を受けた文書は、グラスゴーのケルビンホール内にあるNLSの動画アーカイブに収蔵されます。

Campbeltown cinema papers given to National Library(NLS,2017/11/14)
https://www.nls.uk/news/archive/2017/11/campbeltown-cinema-donation

11月 20日

アイルランド政府、アイルランド国立図書館によるデジタル化プロジェクトへの資金拠出を決定

2017年11月15日、アイルランドの文化・遺産・ゲールタクト省は、同国の文化機関・文化遺産機関によるデジタル化プロジェクトの一環として、アイルランド国立図書館(NLI)への200万ユーロの拠出を承認したと発表しています。

資金は1917年から1923年の出版物の目録化とデジタル化プロジェクトの第2弾に用いられ、デジタル化された出版物は、2018年から2023年までにかけて段階的に公開されます。

英国図書館、デジタル化したヘブライ語の手稿類1,300点を公開するウェブサイトを公開

2017年11月16日、英国図書館(BL)が、デジタル化された同館所蔵のヘブライ語の手稿類1,300点を公開するウェブサイトを公開したと発表しています。

デジタル化は、ポロンスキー財団の支援を受けて実施されたもので、解説記事、脆弱巻物のデジタル化作業の様子やBLで開催された専門家による講演の発表の様子を撮影した動画も公開されています。また、ページ内のドロップダウンボタンから選択することで、英語からアラビア語・ヘブライ語への翻訳にも対応しています。

British Library launches bilingual website showcasing 1,300 Hebrew manuscript treasures (BL,2017/11/16)
https://www.bl.uk/press-releases/2017/november/hebrew-manuscripts-website-launch

米国議会図書館、同館の一次資料を用いて政治・立法・市民参加について学ぶK-12の児童・生徒向けの教育用ウェブアプリを公開

2017年11月17日、米国議会図書館(LC)は、教育機関と連携して開発した、K-12の児童・生徒を対象としたウェブアプリの公開を発表しています。

児童・生徒が、政治・立法・市民参加について学ぶことを支援するために、LC所蔵の一次資料(Primary sources)を活用して開発されています。

今回公開されたものは、2015年に33の提案から採択された以下の3つのアプリです。

・中学生、高校生が市民権を理解し、歴史的思考を身に着けるために、LCの一時資料を用いて、米国の歴史・市民権・政治についての課題を創造的に解決する“Eagle Eye Citizen”(開発者:ジョージメイソン大学ロイ・ローゼンツヴァイク歴史とニューメディアセンター)

・代議制の基本理念や代議制が直面している現代社会の課題についてゲームベースで学ぶ“Engaging Congress”(開発者:インディアナ大学Center on Representative Government)

・一時資料を用いて歴史を学ぶ、K-5の児童向けの“KidCitizen”(開発者:Muzzy Lane Software社)

2016年に採択された第2弾の開発分については2018年に公開予定です。

韓国・浦項市立図書館、地震により延期となった大学修学能力試験受験者を支援するため休館せずに学習室を開放

韓国・慶尚北道にある浦項市立図書館の6館は、2017年11月15日に同地付近で発生した地震により1週間延期となった2018年の大学修学能力試験受験者を支援するため、2017年11月17日から11月22日までの間休館せず、午前9時から午後10時まで学習室を開放すると発表しています。

17.11.17(금)~11.22(수)도서관 전체 개관 및 운영안내(포항시립도서관,2017/11/18)
http://phlib.pohang.go.kr/community/notice?idx=7465&mode=view

スコットランド、1枚のカードで全公共図書館を利用できる“One Card”プロジェクトの試行事業を開始

2017年11月17日、スコットランド政府は、1枚のカードで全公共図書館を利用できる“One Card”プロジェクトの試行事業を開始したと発表しています。

スコットランド図書館・情報協議会(SLIC)が管理する政府ファンド“Public Library Improvement Fund”から1万5千ドルの拠出を得て、アバディーン、アバディーンシャー、アンガス、ハイランド、パース・アンド・キンロスの5つの地方公共団体が参加し、半年間実施されるもので、成功すればスコットランド全土に拡大される予定です。

これまでは、ビジターチケットを申請する必要がありましたが、試行期間中は、同地域内のある120館を超す図書館の160万冊の蔵書・600台を超すパソコン・WiFiの利用や、プログラムへの参加が可能です。

SLICは、同事業は、2017・2018年度の政府公約の1つで、公共図書館のための国家戦略“A Strategy for Public Libraries in Scotland 2015-2020”の実現を促すものと説明しています。

カナダ・トロント公共図書館による美術館・博物館等の無料パスを貸出す事業の支援企業、2018年末をもって資金提供を中止(記事紹介)

2017年11月16日付けのToronto Star紙が、カナダ・オンタリオ州のトロント公共図書館(TPL)が実施する“Museum + Arts Pass”プログラムに資金を提供するSun Life Financial社が、2018年末をもって同プログラムへの資金提供を中止することを報じています。

大人2人と子供5人までが利用可能な美術館・博物館等の無料パスを貸出すサービスで、今年でサービス開始から10年目になります。

報道によると、同社は年20万ドルの資金を提供してきたものの、事業の再検討を行なった結果、新しい優先事項と合致せず中止を決めたとのことです。同社が同じく支援しているTPLの楽器貸出プログラムへの支援は継続するとのことです。

TPLの担当者は、同サービスが無ければ訪問できなかった150万人を超す人々が17の施設を利用することができた、成功しているサービスであると述べ、他のスポンサーを探すとしています。

11月 17日

【イベント】サイエンスアゴラ2017 日中韓シンポジウム 「The Landscape of Scholarly Publishing in China、Korea & Japan」(11/24・東京)

2017年11月24日、サイエンスアゴラ2017において、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)知識基盤情報部、情報企画部の主催により、日中韓シンポジウム「The Landscape of Scholarly Publishing in China、Korea & Japan」が開催されます。

日中韓の学術出版、特に電子ジャーナルの役割や取組などについて、公的機関が運営するプラットフォームとしての観点から、各国の現状が報告されます。

発表・質疑は英語で行われ、通訳はありません。参加費は無料です。事前申込が必要です。

文部科学省、子供の読書活動推進に関する有識者会議(第4回)の資料を公開

文部科学省が、2017年11月2日に開催した「子供の読書活動推進に関する有識者会議(第4回)」の配布資料を公開しました。

論点まとめ(案)などの資料が公開されています。論点まとめ(案)では、公共図書館と学校図書館の、子供の発達段階に応じた取組などが言及されています。

新着情報 最新1か月分の一覧(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/news/index.html
※「平成29年11月16日」に「子供の読書活動推進に関する有識者会議(第4回) 配付資料」とあります。

子供の読書活動推進に関する有識者会議(第4回) 配付資料(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/040/shiryo/1398149.htm

総務省、「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業(平成28年度補正予算・平成29年度当初予算)の成果発表会を全国11か所で開催

2017年11月17日、総務省が、「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業(平成28年度補正予算・平成29年度当初予算)の成果発表会を全国11か所で開催すると発表しています。

同事業の採択団体が成果発表を行うほか、プロジェクト実証校の先生や教育委員会職員によるパネルディスカッション、実証モデルで用いられた機器等の展示も行われます。

日程、開催地は以下の通りで、参加には事前の申し込みが必要です。

2017年12月21日 札幌市(ACU-A(アスティ45))
2017年12月25日 大阪市(ナレッジキャピタル)
2017年12月27日 仙台市(ハーネル仙台)
2018年1月12日  那覇市(那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール)
2018年1月19日  名古屋市(AP名古屋)
2018年2月5日  福岡市(レソラNTT夢天神ホール)
2018年2月15日  長野市(JA長野県ビルアクティ―ホール)
2018年2月19日  高松市(高松商工会議所)
2018年2月22日  金沢市(金沢商工会議所)
2018年3月2日  広島市(広島国際会議場)
2018年3月8日  東京(未定)

米・ニューヨーク公共図書館の改修基本計画が理事会に提出される

2017年11月15日、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)の中央館にあたるスティーブン・A・シュワルツマン図書館(Stephen A. Schwarzman Building)の改修基本計画が同館理事会に提出されました。

基本計画は、既に、同館のミッドマンハッタン分館の改修を手掛けている、オランダの図書館デザインを専門とする建築会社Mecanoo社と、ニューヨーク市で歴史的建造物を手掛ける建築会社Beyer Blinder Belle社が策定したもので、2018年から2021年までの期間に、3億1,700万ドルの費用で、研究・展示・教育プログラムのためのスペースを現在の建物から約20%増大させる計画です。

具体的には、事務室・倉庫・未活用スペースの公共スペースへの転換、新しい入口や最新の現代的なトイレ・カフェ・ショップの設置、高校生・大学生に蔵書や研究図書館の利用方法紹介する研究教育センターの開設、常設展示スペースの設置などがあげられています。

また、同館理事会では、現在の基本計画には含まれていないものの、自然光が入り、温湿度・防火の基準を満たしておらず、現在では研究文献の保存に適していない中央書庫についての調査・検討も、両社に依頼しています。

ページ